お知らせ

2019.02.01

[重要なお知らせ]2020年、武蔵野美術大学通信教育課程が新しくなります(2019.07.18更新)

2020年4月、武蔵野美術大学通信教育課程はこれまでの4学科9コースを再編し、4つの新しいコースに生まれ変わります。

アート・デザインの多様化の中、教育課程を見直し、これまで以上に専門分野を深く、横断的に学ぶことができるようになります。

コースが新しくなります。

アートやデザインも時代とともに変化します。
今やひとつのことを学ぶだけでは表現は成立しません。
多様な学びを実現するためにこれまでのコースを再編し、新しいコースに生まれ変わります。

学び方が新しくなります。

通信授業、面接授業の選択の幅が広がることに加え、週末スクーリングやメディア授業の拡充など、時間や距離の制約がある方にも、学びやすい学習環境を準備しています。

編入学の仕組みが新しくなります。

大学・短期大学・高等専門学校・専修学校の専門課程等を卒業している方は、アート・デザインの経験がなくても三年次編入することができ、基礎から学べます。

新課程リーフレットをダウンロード

2020年3月まで 2020年4月から
油絵学科 絵画コース
版画コース
絵画表現コース
日本画コース 日本画表現コース
工芸工業デザイン学科 生活環境デザインコース
スペースデザインコース
デザイン総合コース
デザイン情報学科 コミュニケーションデザインコース
デザインシステムコース
芸術文化学科 造形研究コース
文化支援コース
芸術研究コース

絵画表現コース

現代の美術では表現媒体の多様化が進み、これまでのカテゴリーには収まらないボーダレス化が起こっています。この現状と将来を見据え、主に油彩画を中心とした平面造形と版表現を選択的に学び、伝統的技術から現代の表現まで幅広い知識と教養を身に付けながら、これまでのジャンルに囚われない、新たな可能性をも視野に入れた表現を目指します。

日本画表現コース

日本画の特徴である描画材としての岩絵具、箔、泥、墨、支持体としての和紙、絹、板、漆喰などの素材や材料を扱い、線描やたらし込みなどさまざまな技法で描くことで、日本画ならではの表現を学びます。それと同時に、描くだけでない他の領域を横断的に学ぶことで、あらたな表現を生み出し、現代絵画としての日本画の創造性を高めていくことを目的としています。

デザイン総合コース

今やデザインは、プログラミングやネットワークの知識なくしては成立しなくなりつつあります。また、これまでのデザインの領域では、平面、空間、立体といった造形的なカテゴリーによって分けられていました。
それらをひとつのデザインの思考として捉え直し、「情報」「環境」「社会」を3つの大きな柱として、それぞれの専門領域を横断的に学びます。

芸術研究コース

造形文化を中心に、芸術文化を読み解く視点や方法を学びます。芸術文化に関する認識の成り立ちを理解し、芸術文化の研究方法を「資料・情報の調査と分析」「研究テーマの発想・構想」「成果の論述・表現」の実践を通して身に付け、最終的に卒業研究に取り組みます。
また、必要な科目を履修することで学芸員資格を取得することができます。

今後の募集予定

  2019年4月入学 2019年10月入学 2020年4月入学 2021年4月入学 2022年4月入学
油絵学科
デザイン情報学科
芸術文化学科
[現行課程]
1年次入学
2年次編入学
3年次編入学
[現行課程]
2年次編入学
3年次編入学
[新課程]
1年次入学
[新課程]
1年次入学
2年次編入学
[新課程]
1年次入学
2年次編入学
3年次編入学
[現行課程]
2年次編入学
3年次編入学
[現行課程]
3年次編入学
工芸工業デザイン学科 [現行課程]
2年次編入学
3年次編入学
[現行課程]
3年次編入学
[現行課程]
3年次編入学

通信新課程の教育理念・目標と3つのポリシー

以下に、通信新課程の教育理念・目標と3つのポリシーを記載します。

1. 教育理念と教育目標

教育理念

武蔵野美術大学の教育理念は、昭和4(1929)年10月30日、本学の前身である帝国美術学校の創立に由来するものです。

帝国美術学校の創立に寄与し、後にその経営と教育の中心となった金原省吾(開校時学監)の手記には「教養を有する美術家養成」と記されています。また、創立時の中心人物のひとり名取堯(開校時主事)の『武蔵野美術』(創立三〇周年記念特集)に寄せられた30年の回顧には、「人間が人間になる道は激しい鍛錬、たゆまざる精進の中にあって、放任の中にはない、その框(わく)を固定させず、しかも、放縦に任せず、真に人間的自由に達するような美術教育への願い」であると語られており、美術を技術的専門性だけではなく、総合的な人間形成をもって成るものと考えたのです。

このように、まさに人間的自由に達するために美術・デザインを追求することこそが、本学の教育理念であると言うことができ、国内美術大学では最大規模の造形教育の大学となった現在も、この教育理念を継承し堅持しています。

教育目標

武蔵野美術大学造形学部は、美術を総合的な人間形成をもって成るものと考える教育理念に基づき、次の教育目標を掲げる。

  1. 幅広い教養を備え、人格的にも優れた美術・デザインを中心とする造形各分野の専門家を養成する。
  2. 美術とデザインの領域における総合的な造形教育を通じて、広く知識を授けるとともに、深く専門の技能、理論や応用を教授研究し、豊かな美的教養をそなえた社会人を育成する。

こうした人材の輩出をもって、日本と世界の文化の創造発展と社会に貢献することを、武蔵野美術大学の使命とする。

2. ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

武蔵野美術大学造形学部は、教育目標の実現のため編成されたカリキュラムのもと、設定された科目を履修し、卒業制作または卒業論文・研究を提出したもので、卒業に必要な単位を修得したものに卒業を認め学士(造形)の学位を授与する。具体的には、造形分野における独自の探求を行い、創造的な表現活動を実現するために、以下の7点をディプロマ・ポリシーとする。

  1. 専門的な知識を理解し深めることができる。
  2. 専門分野の基盤となる文化や諸科学について総合的に理解している。
  3. 制作・研究を深め広げる技能を身につけている。
  4. 他者に伝える表現能力および他者とともに考える対話能力を身につけている。
  5. 批判的思考を働かせ、課題や主題を自主的に設定することができる。
  6. 論理的思考・創造的思考を働かせ、独創的な課題解決の判断や構想ができる。
  7. 制作・研究に幅広い関心と高い意欲を持ち、社会のなかで主体的に取り組むことができる。

3. アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

武蔵野美術大学は創立以来の教育理念に基づき造形芸術の専門教育を実践し、多くの優れた人材を輩出してきました。本学教育課程を主体的に修め努力できる次のような資質・能力を備えた学生を求めています。

  1. 専門性と表現を深めるための基礎的な学力を身につけている人
  2. 専門性を支える幅の広い造形力や教養を総合的に身につけようとする人
  3. 論理的思考・創造的思考を働かせて独自の表現で伝えようとする人
  4. 文化の創造発展に寄与し、社会で活躍しようとする人
    また通信教育課程では上記のポリシーに加え次のような学生を求めています。
  5. 地理的・時間的な制約に関わらず向学心をもって学ぼうとする人
  6. 社会人の再学習や生涯学習を目的にさらに学ぼうとする人

4. カリキュラム・ポリシー(通信教育課程の編成と方針)

通信教育課程は、通信教育という授業方法を通じて、造形学部のディプロマ・ポリシー達成を目途に科目を構成し、ポリシーを達成しようとするものです。

また造形の各分野を専攻するにあたっては、総合的判断力・批判力を養うために広く諸学問を学ぶ[文化総合科目]、造形という大きな視点から専門性の位置づけや基礎を確認するために幅広く造形について学ぶ[造形総合科目]、個々の学科・コースが独自に専門的能力を追求する[学科別専門科目]の三者をバランスよく学修することにより真の造形教育が成立すると考えます。

  1. 専門分野の基盤を独自のかたちで構築するため、文化や諸科学について総合的に学修する科目
  2. 専門分野の基盤を独自のかたちで構築するため、他者に伝える表現能力および他者とともに考える対話能力を身につける科目
  3. 他の領域にも広く目を開き経験することによって、造形を総合的に捉えることを目的とし、制作・研究を深め広げる技能を身につける科目
  4. 専門家として欠くことのできない専門的基礎理論・表現方法などを学習し、専門的な知識を理解し深める科目
  5. 論理的思考・創造的思考を働かせ、独創的な課題解決の判断や構想を行う科目
  6. 制作・研究に幅広い関心と高い意欲を持ち、学修の集大成として社会のなかで主体的に取り組む科目
  7. 学修の集大成として批判的思考を働かせ、課題や主題を自主的に設定する科目

こうした有機的な科目群の結びつきと展開性は、本課程の特徴であり、武蔵野美術大学の教育理念及び教育目標に基づくものです。

5. 学科・コースの構成

新課程の学科・コースは、油絵学科では油彩等を中心とした平面造形のみならず、平面にとどまらない表現までを学ぶ「絵画表現コース」と、日本画の古典から現代表現までを学ぶ「日本画表現コース」の2コース。芸術文化学科は、美術を中心に様々な文化の事象を調査・考察し、その意味を学ぶ「芸術研究コース」の1コース。デザイン情報学科は、これまでの工芸工業デザイン学科とデザイン情報学科それぞれの領域を合わせ、総合的な学びとその解決を学ぶ「デザイン総合コース」の1コースとします。

6. 学科・コースのカリキュラム構成

【油絵学科】

現代の美術では表現媒体の多様化が進み、これまでのカテゴリーには収まらないボーダレス化が起こっています。この現状と将来を見据え、これまでの専門分野を横断的に学び、伝統的技術から現代の表現まで幅広い知識と教養を身に付けながら、それぞれの表現に結び付けていくことを目指します。

そのために、これまでの実技科目だけでなく、各学年を通して講義を中心にした演習科目を設け、実技授業では不足しがちな素材の知識と実際、さらにテーマを考える上での見方・考え方、捉え方を学び、それぞれの表現に繋げるまでの学習をします。

絵画表現コース

主に油彩画を中心とした平面造形を学びますが、古典から現代までの表現を学ぶだけでなく、版表現や様々な媒体と手法を取り入れながら、これまでのジャンルに囚われない、新たな可能性をも視野に入れた表現を目指します。

必修科目では、基礎的な学習として「絵画表現基礎Ⅰ~Ⅳ」を配置し、描くこと、表現することの楽しさと深さを学びます。「絵画表現Ⅲ~Ⅶ」、「複合的表現Ⅰ~Ⅱ」では、描く上で必要な基礎知識を身に付け、見方や捉え方、造形の思考を学びびながら表現の多様性を経験し、「卒業制作」でそれぞれのテーマと表現へと繋げていきます。

また、講義を中心にした「絵画表現材料」及び「絵画表現演習」では、実技授業では不足しがちな素材の知識と実際、見方や捉え方、考え方などを学びます。

日本画表現コース

コース必修専門科目として、基礎から応用に向かうための「日本画基礎Ⅰ~Ⅴ」、制作進行の手順を知ることを目的に、古来用いられたものから自己の進め方への研究を行う「日本画研究Ⅰ~Ⅲ」、自己の日本画の用具用材の可能性を自己の表現と絡め、より高い研究テーマを促すための「日本画応用Ⅰ~Ⅲ」を配置します。

また、講義を中心にした「日本画表現入門」及び「日本画表現演習」では、実技授業では、不足しがちな素材の知識と実際、見方や捉え方、考え方などを学びます。

【芸術文化学科】

芸術研究コース

これまで通信の芸術文化学科は、理論研究を中心とした造形研究コースと、学芸員養成を含めた文化支援コースの2コース体制でしたが、新課程では通学の芸術文化学科における芸術文化研究領域に相当する分野を学修の中心とした1コースとし、学芸員課程は学科別専門科目の選択(必修)科目として位置づけます。

科目のカテゴリーでは、理論や歴史を中心に美術・芸術文化に関する私たちの認識の成り立ちを学ぶ科目を1年次から4年次まで各年次に配置し、コースの学修の軸とします。

また、芸術文化を研究する方法を「資料・情報の調査と分析」「研究テーマの発想・構想」「成果の論述・表現」の3段階に分け、それぞれを実践的に学ぶ科目を1年次から3年次まで配置します。

あわせて、特定の主題を共同で調査・研究して知見を蓄積していくゼミナール科目を、1年次から4年次まで各年次に配置します。

これまで通信共通の「卒業制作」の科目名で論文作成を課してきましたが、科目名を「卒業研究」として性格を明示し、3年次から研究計画の検討に取り組むようにします。

芸術研究コースのカリキュラムは、その多くが社会人である学生が、入学の時点でそれぞれの持つ知識や経験、また美術に対する興味や関心を、個々の学修の理由や目的に応じて展開できるよう、個別的な知識の修得に加えて、研究の視点や方法の獲得に重点を置いて構成します。

【デザイン情報学科】

デザイン総合コース

デザイン総合コースの領域のカテゴリーには、印刷媒体やネットワークを通じて発信される「情報」をデザインする領域、生活用品や製品、住宅空間や演出空間などの「環境」をデザインする領域、人々の関係や地域の問題など「社会」に関わるデザインの3つの領域があります。

また科目のカテゴリーには、知識としてデザインを学ぶ「デザイン入門」「デザイン論Ⅰ・Ⅱ」、ワークショップやフィールドリサーチ、ディスカッションなどのさまざまな演習を通じて“構想する力”を養い、デザインの発想をさまざまな角度から学ぶ「デザイン総合研究Ⅰ~Ⅵ」、さらに各領域の科目を選択しながら“つくる力”すなわち“形成する力”を身につけることによって構想を実現する力を学ぶ「形成デザインⅠ~Ⅴ」などのカテゴリーがあります。

さらにこれらの科目を総合的に強化するため、コンピュータやネットワーク、プログラミングの知識や技法を学びながら、構想力や形成力をデザインとして実装する力を学修します。

デザイン総合コースの科目は、進化する社会に対応し、自らのデザインの指向性を重視しながら、領域を横断的に学び、総合的に問題を解決するため「デザインとそれを実装する力」を学修する目的で構成されています。