油絵学科 絵画表現コース

多様な表現と描く楽しさを知り、
思考を深め、
自分の「描きたいもの」に向き合う。

有史以前の洞窟画から数万年にわたる長い絵画の歴史の中で、絵画表現の素材も手段もさまざまに変化してきました。今日では、600年近い歴史を誇る油彩画はもとより、アクリル絵具や他の新しい素材も特別なものではなくなっています。また直接的に描くだけではなく、版を使った表現やそれらを複合的に使った表現、さらにはオブジェや装置を使ったインスタレーション(仮設展示)など、その手法は多様化し、これまでのカテゴライズでは収まりきらなくなっているのが現状です。

このような現代美術の状況の中で、絵画表現コースではそれぞれが適した表現を見出せるように科目を設置しています。初めて絵画を学ぶ人には、造形の本質を知り基礎力を養うための科目や、道具や材料について知るための科目を設けています。そして、油彩画はもとより、古典から現代までのさまざまな素材や表現手段を選択的に学ぶことによって、幅広い知識と経験を得ることができます。

絵画表現コースの必修科目では、絵画の表現に必要な知識を身につけていきます。対象の見方や捉え方、明暗と色彩、構図や構成、絵画空間の表現など、造形に必要なさまざまな要素に焦点を当てて学習します。また、実技科目だけでは不足しがちな造形の思考を学ぶ科目も設置しており、それぞれが描くテーマの発見につなげていきます。

これらはコースの主柱となる科目ですが、選択必修科目と造形総合科目には、表現方法ごとに適した素材や技術、媒体と手段を学ぶことができる科目を設置しています。たとえば、「版表現」では版画の版種ごとの技術、「絵画研究」ではテンペラやフレスコなど古典技術、油彩画の古典技法、そして「複合的表現」では現代美術に触れるなど、さまざまな技術や技法が習得できます。これらから自由に選択し、それぞれが求める表現に結び付けていきます。

卒業制作作品をご紹介。

「記憶」120 × 160㎝ キャンバス、油彩
2017年度卒業制作

透明度を増していく 自分と作品との営み

自分の ”気分“を表そうと苦悶した。 しだいに僕と作品の間に流れる営みが透明度を増していった。 かけがえのない充実した時間。 多幸感の中にも一歩引いた冷徹な目で作品に接すること。 これからの課題である。

キムリカ研

2017年度卒業

「春から秋へⅠ」 F100 キャンバス、油彩
2017年度卒業制作

母親という器の行き詰まり感。 私個人の存在は……

妊娠して母体となり、出産して母親になる。 しかしロールに抜け殻のような行き詰まりを感ずることがある。母と子は一体ではなく独立したパーソナリティなのである。

酒德深雪

2017年度卒業

絵画表現コースの学習プロセス

絵画表現コースの学習プロセス

絵画表現コースの履修モデル

1年次

文化総合科目
美術入門 … 1単位
文化総合科目から自由に選択 … 11単位

造形総合科目
デッサンA … 2単位
造形総合科目から自由に選択 … 8単位

学科別専門科目
絵画表現基礎Ⅰ A … 2単位
絵画表現基礎Ⅰ B … 2単位
絵画表現基礎Ⅱ … 2単位
絵画表現基礎Ⅲ … 2単位
絵画表現基礎Ⅳ … 2単位

2年次

文化総合科目
絵画表現材料 … 1単位
文化総合科目から自由に選択 … 12単位

造形総合科目
デッサン表現 … 2単位
絵画研究ⅠA … 2単位
絵画研究ⅠB … 2単位
版表現Ⅰ … 2単位
造形総合科目から自由に選択 … 4単位

学科別専門科目
絵画表現Ⅲ A … 1単位
絵画表現Ⅲ B … 2単位
絵画表現Ⅳ A … 1単位
絵画表現Ⅳ B … 2単位

3年次

文化総合科目
文化総合科目から自由に選択 … 11単位

造形総合科目
絵画研究ⅡA … 2単位
絵画研究ⅡB … 2単位
版表現Ⅱ … 2単位
造形総合科目から自由に選択 … 4単位

学科別専門科目
絵画表現Ⅴ A … 1単位
絵画表現Ⅴ B … 2単位
絵画表現Ⅵ A … 1単位
絵画表現Ⅵ B … 2単位
絵画表現演習 … 1単位
複合的表現Ⅰ A … 1単位
複合的表現Ⅰ B … 2単位

4年次

文化総合科目
文化総合科目から自由に選択 … 8単位

造形総合科目
造形総合科目から自由に選択 … 10単位

学科別専門科目
絵画表現Ⅶ A … 1単位
絵画表現Ⅶ B … 2単位
卒業制作 … 4単位 ・ 2単位
複合的表現Ⅱ A … 1単位
複合的表現Ⅱ B … 2単位

  • は必修科目、は選択必修科目
  • 上記のほかに、文化総合科目(自由選択)を卒業までに40単位修得する。

絵画表現コースのスクーリング。
教員や仲間との交流がよい刺激に。

絵画表現基礎ⅠB

絵画表現ⅢB

絵画表現ⅤB

絵画表現コースの卒業までの学費例をシミュレーション。

入学時には選考料・入学金、卒業までには授業料のほか、スクーリングやメディア授業の受講料などが必要です。スクーリングは卒業までに30単位修得しなければなりませんので、年間平均で7~8単位のスクーリングを受講することになります。最短で卒業した場合、学費の概算は下表のとおりです。

1年次入学の場合

年次 選考料・入学金 授業料 スクリーング受講料 合計
1年次 25,000円 + 30,000円 300,000円 13,000円 × 8単位 459,000円
2年次 300,000円 13,000円 ×8単位 404,000円
3年次 300,000円 13,000円 × 7単位 391,000円
4年次 300,000円 13,000円 × 7単位 391,000円
1,645,000円

2年次編入学の場合

年次 選考料・入学金 授業料 スクリーング受講料 合計
2年次 25,000円 + 30,000円 300,000円 13,000円 × 8単位 459,000円
3年次 300,000円 13,000円 × 7単位 391,000円
4年次 300,000円 13,000円 × 4単位 352,000円
1,202,000円

3年次編入学の場合

年次 選考料・入学金 授業料 スクリーング受講料 合計
3年次 25,000円 + 30,000円 300,000円 13,000円 × 10単位 485,000円
4年次 300,000円 13,000円 × 9単位 417,000円
902,000円
  • 2年次・3年次編入学の例は、入学時に既修得単位をスクーリング単位として認定された場合です。
  • 受講する科目によっては別途教材費がかかるものもあります。
  • 不合格によりスクーリング再受講となった場合、新たに同一の受講料・申込みが必要です。
  • 参考図書等の購入代金・材料費・課題の郵送料等は含まれません。