油絵学科 日本画表現コース

伝統的な日本画の技法を学び、
オリジナルな世界観を表現する。

明治時代の西洋文化取り入れとともに西洋画の対語として生まれ用いられるようになった「日本画」は、東洋画の伝統を受け継ぎながら日本の風土に根ざした独自の表現法を築き、今日さらに現代絵画が示す幅の広さと可能性を踏まえ、日本絵画の創造性を高めています。

特徴的な日本画材としては、膠(にかわ)、岩絵具、箔、泥、墨、和紙、絹、板、漆喰などが上げられます。それらの用具用材を生かした線描や伝統的な技法は素材や材料と密接に結び付き、現在では新しい用具用材も生まれつつ、表現の可能性を育んでいます。

日本画表現コースでは、日本画領域を学ぶために用具用材を扱い使いこなすことを基本とし、それらを使って絵画として描く力を養っていきます。

カリキュラムは、まず日本画の用具用材を揃え扱うことから出発し、日本画を描く上で必要なさまざまな技法を習得したのち、自分なりの描きたい手法を編み出す科目へと、基礎から応用へ階段式に学習を進めていきます。

入門として位置付けられている「日本画基礎Ⅰ」は、日本画関連科目をスムーズに進めるための基本となる大切な科目です。そこから発展して、日本画を描くための制作工程研究、絵巻物を利用した現状模写、素材研究としての絹や麻に描く、箔を使ってまた個性の可能性を研究するなど個々がオリジナルな世界観へと繋げられる科目が用意されています。日本画を学ぶ上では描く学習だけでなく、日本の文化を考えることも重要です。必修科目の他にも、日本画に関する科目として「日本画材料学」のように教養面も含めた学習をすることを推奨します。

学生の自主的な学習はもちろん、その人なりの個性を伸ばすことに重点を置いた指導を行います。

卒業制作作品をご紹介。

「わたし」P100 高知麻紙、岩絵具、水干絵具、墨、胡粉
2017年度卒業制作

友人の住む町と 私の住む町に咲いた花

友人の住む益城町と私の住む町に咲いている花を描いた。 種類は同じでも全く違っていて寂しい。 友人の痛みは理解できないけれど、 花が咲くようにまた一緒に笑えることを祈って描いた。 生きていることは美しい。 それはきっと「あなた」にも言えることだと思う。

宮尾有希子

2017年度卒業

「駅前舗道の秋」P100 雲肌麻紙 岩絵具
2017年度卒業制作

身近な景色、そのイメージを描く

毎日通勤で歩いている駅前の秋。ハトが集まる舗道の、イチョウの葉の黄色が目に美しい。自分の生活圏で移ろいゆく景色。身近な季節のイメージを描く。

斎藤昌之

2017年度卒業

日本画表現コースの学習プロセス

日本画表現コースの学習プロセス

日本画表現コースの履修モデル

1年次

文化総合科目
美術入門 … 1単位
日本画表現入門 … 1単位
文化総合科目から自由に選択 … 9単位
造形総合科目
造形基礎Ⅰ … 2単位
デッサンA … 2単位
造形総合科目から自由に選択 … 6単位
学科別専門科目
日本画基礎Ⅰ … 2単位
日本画基礎Ⅱ … 2単位
日本画研究Ⅰ … 2単位
日本画研究Ⅱ … 2単位
日本画研究Ⅲ … 2単位

2年次

文化総合科目
日本画材料学… 2単位
日本美術史… 2単位
文化総合科目から自由に選択 … 9単位
造形総合科目
絵画研究Ⅰ B … 2単位
造形総合科目から自由に選択 … 6単位
学科別専門科目
絵画表現基礎ⅠA … 2単位
日本画基礎ⅢA … 1単位
日本画基礎ⅢB … 2単位
日本画基礎ⅣA … 1単位
日本画基礎ⅣB … 2単位
日本画基礎Ⅴ … 2単位

3年次

文化総合科目
絵画空間論… 2単位
美術解剖学… 2単位
文化総合科目から自由に選択 … 7単位
造形総合科目
版表現Ⅰ … 2単位
造形総合科目から自由に選択 … 10単位
学科別専門科目
複合的表現ⅠA … 1単位
日本画表現演習 … 1単位
日本画応用ⅠA … 1単位
日本画応用ⅠB … 2単位
日本画応用ⅡA … 1単位
日本画応用ⅡB … 2単位

4年次

文化総合科目
文化総合科目から自由に選択 … 11単位
造形総合科目
造形総合科目から自由に選択 … 9単位
学科別専門科目
絵画表現基礎Ⅱ … 2単位
日本画応用ⅢA … 1単位
日本画応用ⅢB … 2単位
卒業制作 … 4単位・2単位

  • は必修科目、は選択必修科目
  • 上記のほかに、文化総合科目(自由選択)を卒業までに40単位修得する。

日本画表現コースのスクーリング。
教員や仲間との交流がよい刺激に。

日本画基礎Ⅰ

日本画基礎ⅢB

日本画応用ⅠB

日本画表現コースの卒業までの学費例をシミュレーション。

入学時には選考料・入学金、卒業までには授業料のほか、スクーリングやメディア授業の受講料等が必要です。スクーリングまたはメディア授業は卒業までに30単位の修得が必要になるため、年間平均で7~8単位のスクーリングまたはメディア授業を受講することになります。最短で卒業した場合、学費の概算は下表のとおりです。

1年次入学の場合

年次 選考料・入学金 授業料 スクーリング受講料 合計
1年次 25,000円 + 30,000円 330,000円 15,000円 × 8単位 505,000円
2年次 330,000円 15,000円 ×8単位 450,000円
3年次 330,000円 15,000円 ×7単位 435,000円
4年次 330,000円 15,000円 × 7単位 435,000円
1,825,000円

2年次編入学の場合

年次 選考料・入学金 授業料 スクーリング受講料 合計
2年次 25,000円 + 30,000円 330,000円 15,000円 × 9単位 520,000円
3年次 330,000円 15,000円 × 5単位 405,000円
4年次 330,000円 15,000円 × 4単位 390,000円
1,315,000円

3年次編入学の場合

年次 選考料・入学金 授業料 スクーリング受講料 合計
3年次 25,000円 + 30,000円 330,000円 15,000円 × 9単位 520,000円
4年次 330,000円 15,000円 × 9単位 465,000円
985,000円
  • 2年次編入学・3年次編入学の例は、入学時に既修得単位をスクーリングによる単位として認定された場合です。
  • 受講する科目によっては別途教材費がかかるものもあります。
  • 不合格によりスクーリング再受講となった場合、新たに同一の受講料・申込みが必要です。
  • 参考図書等の購入代金・材料費・課題の郵送料等は含まれません。