絵画を描く際に必要な基底面。地塗り層や絵具層を上に乗せ、下から支える物理構造。

支持体には、大きく分けて軟質と硬質があります。
ここでは、支持体の種類と、その下地作りの主な例を紹介しています。

下地作りの例









[01] ヤスリをかける [02] 前膠塗り [03] 寒冷紗を貼る
[04] 再度膠を引く
[05] 地塗り
[06] マチエール












[07] 完成












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ラワンベニヤ

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ラワンベニヤ
[01] ヤスリをかける

市販の合板(ラワンベニヤ、12@厚)を用意します。ラワンベニヤは木材店で購入できます。まず板の表面についている汚れやトノコを乾いた雑巾で拭き取ります。その後ざらざらした表面を整えるためサンドペーパー(100〜120番)で描画面を磨きます。側面は軽く磨く程度で良いでしょう。サンドペーパーをかけた後はもう一度乾いた雑巾で木屑を拭き取ります。




ラワンベニヤ
[02] 前膠塗り

ハケを使ってラワンベニヤの表、裏、側面全てに膠水を塗ります。油絵具の油分や樹脂分は木材に直接付着すると酸化して腐食の原因となります。また木材自体から発生するヤニ分を遮断するためにも膠を塗る必要があります。




ラワンベニヤ
[03] 寒冷紗を貼る

膠水が乾燥する前に、ラワンベニヤに寒冷紗(かんれいしゃ)を貼ります。布地をあてることによって湿度の変化による亀裂を防止します。寒冷紗は糸目が細いためラワンベニヤの荒い繊維にくい込み易く、上にのせる塗料の付きを良くする働きがあります。貼る際は寒冷紗に皺が出来ないよう、手の平でラワンベニヤの中心から外側に向かって伸ばすように貼付けます。





ラワンベニヤ
[04] 再度膠を引く

寒冷紗の貼り付けが済んだら、すぐに上から膠水を塗ります。寒冷紗がはがれないように膠水を多めに塗ります。おもて面が塗り終わったら寒冷紗を側面、裏面へ折り込み膠水を塗ります。裏面は表と同様に膠水を多めに塗って固着します。塗り終わったら膠水が乾くまで日影で乾燥させます。





角に重なり合う生地をハサミで切ってからラワンベニヤの側面、裏面に折り込み貼っていきます。


側面、裏面も寒冷紗がはがれないようにムラなく塗ります。




ラワンベニヤ
[05] 地塗り

膠水が乾いたら水性地塗料を塗ります。木ベラもしくはプラスチックヘラで塗っていきます。ムラができないように1層目は布地の織目にすり込むように強く塗ります。2層目は1層目が乾ききる直前に軽くヘラで押さえながら塗ります。




ラワンベニヤ
[06] マチエール

寒冷紗を貼った時点で描画可能ですが、水性地塗料の塗り方を工夫することによって得られる効果をみるのも面白いでしょう。布カンバスなどの軟質の支持体と比べ、硬質の支持体であるベニヤは素材自体が変形しにくいので地塗料を厚く盛ったり、垂らすなどして様々なマチエール(絵肌)を施すことができます。




ラワンベニヤ
[07] 完成

水性地塗料を2層塗った状態です。塗料が乾燥したら、サンドペーパーをかけます。150番くらいで表面を荒めにならして次に320番くらいで細かく研磨し最後に600番くらいで仕上げをします。これで、ラワンベニアの下地作りが完了します。支持体に適した合板としては他にシナベニヤ材、ランパーコア材、シナハニカム材、ボード材、パイン材などがあります。