絵画を描く際に必要な基底面。地塗り層や絵具層を上に乗せ、下から支える物理構造。

支持体には、大きく分けて軟質と硬質があります。
ここでは、支持体の種類と、その下地作りの主な例を紹介しています。

下地作りの例









[01] やすりがけ
[02] 和紙
[03] 和紙を貼る
[04] 地塗り
[05] 比較
[06] 完成



























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和紙カンバス

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和紙カンバス
[01] やすりがけ

地塗り前の目止めが完了した10号のカンバスを用意します。カンバスにやすりをかけて和紙を貼るための事前処理を行います。描画面のざらつきがとれるくらいカンバス全体にやすりがけします。




和紙カンバス
[02] 和紙

和紙カンバスで使う和紙は薄和紙(銘柄は典具帖)の半紙です。薄和紙はカンバス(麻布)の目にくい込み易く、独特のやわらかな質感と糸目の凹凸の持ち味もでます。和紙にもいろいろな種類(中厚、厚口等)があります。それぞれの和紙の特質を活かした使い方もできます。





和紙カンバス
[03] 和紙を貼る

カンバスに膠水を塗り和紙を接着します。ここで使う膠水は目止めに使用するものより薄めのものを使います。和紙の大きさより少し広い範囲で膠を塗り、1枚ずつ貼っていきます。薄和紙に膠がむらなくしみ込んだら、日陰で乾燥させます。膠水が乾いたら和紙の余った部分はカッターで切り取ります。





膠水が乾く前に和紙をのせ、皺ができないよう中心から空気を追い出すように貼付けます。次に貼る和紙は1mm〜5mm程度重ねて貼ります。


<厚口の和紙を貼る場合>

膠水は和紙の繊維全体にしみ込む必要がありますので、接着用の膠水が完全に乾燥したら、再度上から表面に膠水を塗ります。




和紙カンバス
[04] 地塗り

この段階で和紙カンバスに描写していくことも可能ですが、絵具の伸びや発色効果のために下地塗料を塗ることができます。ここではエマルジョン塗料を塗っていきます。ハケで塗りますが、エマルジョン塗料をあまり厚く塗ってしまうと和紙特有の繊細な質感が損なわれてしまうので薄く(1〜2層)塗るようにしましょう。




和紙カンバス
[05] 比較

エマルジョン塗料を薄く塗ると白さは助長されます。白いカンバスの明るい発色効果とエマルジョン塗料の持ち味が出ます。厚塗りすると和紙の風合いは損なわれます。




和紙カンバス
[06] 完成

薄くエマルジョンを塗布したら和紙カンバスの完成です。(写真は2層塗り)これで描写可能です。他の軟質の支持体には、ジュート(珈琲豆袋)、布、混紡(天然繊維、化学繊維)、紙類(和紙、西洋紙)、カルトン(厚紙)、皮紙(羊皮紙)などがあります。