絵画を描く際に必要な基底面。地塗り層や絵具層を上に乗せ、下から支える物理構造。

支持体には、大きく分けて軟質と硬質があります。
ここでは、支持体の種類と、その下地作りの主な例を紹介しています。

下地作りの例









[01] 銅板利用の歴史

[02] 脂肪油を拭き取る [03] 溝をつくる

[04] 地塗り
[05] 比較
[06] 完成



























COPYRIGHT© 2002 CCMAU, ALL RIGHTS RESERVED.



銅板

サムネイル(上段の小さい画像)をクリックすると、このウィンドウに詳しい内容を表示します。


このアイコンがある画像にポインタをあわせると、
追加画像を表示します。

サムネイルにこのアイコンがある画像には、
ムービーファイルが付属しています。

このアイコンがあるムービーには、
音声が入っています。

このアイコンをクリックすると、ムービーを再生します。
※再生にはQuickTimeが必要です。ダウンロードはこちらから。



銅板
[01] 銅板利用の歴史

銅板を支持体として絵画に使用する方法はあまり一般的ではありませんが、その始まりは17世紀の印刷技術と深い関係があります。当時印刷に使用された銅版は用が済めば廃版となります。その廃版に下地を施し再利用することが考えられたのです。油彩画の作家たちはこの方法でミニアチュ−ル(小作品)を制作したそうです。




銅板
[02] 脂肪油を拭き取る

まず描きたい大きさの銅板を用意し、手で持った際に付着する手の油や表面の腐食部分を拭き取ります。手の油には脂肪油が含まれており、銅板を酸化させたり水溶性の塗料をはじく原因になります。





銅板
[03] 溝をつくる

金属は吸収性が無く、油絵具の定着性が弱いので表面にひっかきキズをつける必要があります。こうしておくと描画をする時、溝に油絵具が入り込むので絵具のくいつきを高めることができます。





脂肪油を拭き取った銅板にニードルと直定規で縦、横、各々約1mm間隔の溝をつくります。


溝をつくり終わったら、再度アセトンで脂肪油を丁寧に拭き取ります。




銅板
[04] 地塗り

ファンデーションホワイト(シルバーホワイトでも可能)を輪筆で溝にすり込むようにように銅板全体に塗っていきます。油性地塗料であるファンデーションホワイトは絵具の吸収性があるので、銅板と絵具層の間に施されることによって、支持体と絵具の定着を助けます。




銅板
[05] 完成

銅板に油絵具の油分、樹脂分が直接触れないよう地塗りを重ねます。塗り厚の効果としては1〜2層塗りを重ねると銅板の質感や色合いを保つことが出来ます。3〜5層程度塗り重ねると銅板の性質は失われていきますが絵具の彩色を活かすことが出来ます。




銅板
[06] 完成

ファンデーションホワイトを1層塗った状態です。地塗りに油絵具(ファンデーションホワイト)を塗っているのでこのまま上に描画の油絵具をのせて描くことが可能です。金属の支持体としては他にアルミ板、真鍮板、ステンレス板、鉄板、亜鉛板等があります。いずれも塗料の吸収性が無いため銅板同様に下地作りを行う必要があります。