絵画を描く際に必要な基底面。地塗り層や絵具層を上に乗せ、下から支える物理構造。

支持体には、大きく分けて軟質と硬質があります。
ここでは、支持体の種類と、その下地作りの主な例を紹介しています。

下地作りの例











[01] 膠を引く
[02] 地塗り
[03] 比較
[04] 完成













[EX] 補強 その1
[EX] 補強 その2
[EX] 補強 その3








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厚紙(ボール紙)

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厚紙(ボール紙)
[01] 膠を引く

描きたい絵の大きさに合わせたボール紙を用意し、膠水をハケでおもて面全体にムラなく塗ります。膠は油絵具の油分、樹脂分によるボール紙の酸化、腐食を防止します。さらに水分の吸収性をおさえて、紙の表面を描写に適した硬さにする役割もあります。





膠水はムラがでないように少し湿った程度で塗ります。塗り終わったら日陰で乾燥させます。


ボール紙は膠水を塗ると膨張して反ってしまいます。紙類の性質として塗料や絵具の吸収性に優れている一方、安定して使用するための十分な厚さが無いことが挙げられます。




厚紙(ボール紙)
[02] 地塗り

乾燥したボール紙は反りを防止するために画鋲で机に止めて作業します。水性地塗料、またはエマルジョン塗料をハケでボール紙のおもて面全体に塗ります。ここではエマルジョン塗料を使用します。この塗料は絵具の発色や質感を調整したり、絵具がはがれ落ちないようにボール紙と絵具を接着させる効果があります。




厚紙(ボール紙)
[03] 比較

ボール紙の質感、色味を望む場合は1〜2層の薄塗りをします。また下地の色味や風合いを望む場合は4〜5層塗ります。4層以上塗ると絵具の吸収性が強まるため絵具の伸びが減ります。




厚紙(ボール紙)
[04] 完成

エマルジョン塗料を4層塗った状態です。ボール紙は紙に含まれる糊成分によりカビなどの悪影響を引き起こすことがあります。乾燥は日陰で行い、保管は高湿な場所を避け換気のよい平らな場所を選びましょう。軟質の支持体の紙類には他に和紙、西洋紙、羊皮紙などがあります。





厚紙(ボール紙)
[EX] 補強 その1

紙の反りを防止するには、下地剤を塗る前にボール紙に板を貼って補強すると良いでしょう。まず描きたい大きさの板全面にカゼイン糊を塗って、日陰でしっかり乾燥させ、下地を作ります。これは接着力を高めるために必ず行うようにします。乾燥したら同じ濃度のカゼイン糊を板とボール紙(板より大きめのもの)の接着面に塗って貼り合わせます。





カゼイン糊(膠水でも良い)を板のおもて面、側面、裏面に塗ります。ムラなく塗るためには糊がたまり易い辺の部分に対して内側から外に向かって塗るようにすると良いでしょう。


次に接着用のカゼイン糊をボール紙と板に塗って貼り合わせ、上におもしをのせて1日程度乾燥させます。アルミホイルで包むとおもしやテーブルと接着しないですみます。





厚紙(ボール紙)
[EX] 補強 その2

ボール紙と板が完全に接着したら、ボール紙の余分な部分をカッターで切り取ります。その後、水張りテープを貼るための事前処理を行います。





板に沿ってカッターの刃を立てるようにして切り取ります。


ボール紙のめくれている面や板の側面に軽くやすりがけをします。紙やすりを木片等に画鋲で止めて使用すると均等にならすことができます。





厚紙(ボール紙)
[EX] 補強 その3

ボール紙と板がはがれないよう、水張りテープで固定します。水張りテープは画材店で購入します。貼り終わったら下地剤を塗っていくことができます。





水張りテープの貼りしろを5mm程とって目安の線を引きます。テープの裏面(糊が塗ってある面)に水をつけて、指でシワを伸ばすように中心から外側に向かって貼っていきます。


水張りテープはボール紙と板を包むようにして貼ります。角に余ったテープは側面に折り込んで仕上げをします。