スキージのブレードは、樹脂製である。キズがついたりヘコミが出来た場合には、刷りに大きく影響する。
この場合、ブレードを研磨しない限りキズは消えないので、日頃から注意が必要である。ブレードの研磨は、テーブルに耐水ペーパーを接着し、その上を前後させて新しく鋭いエッジを作り上げる。
使用に応じて、ブレードのエッジは摩滅して丸みを帯びてくる。これは刷りのキレが悪くなるので、定期的なメンテナンスが必要である。
感光乳剤は、熱に弱いので冷蔵庫に保管する。感光剤を混ぜてから半年くらいは普通に使えるというが、それ以降は色が変わってくるので、何らかの劣化が起こっていると思われる。実用的に問題がなければ、使用しても良いだろう。
乳剤は床におちたり流しに残ったりすると、乾燥後はなかなか取りにくいので、汚れてしまった時は速やかに除去する必要がある。服に付着したりすると、服が緑色に染まる。
スクリーン枠は、テトロンが破れたりしなければ繰り返し使う事ができる。但し、長期間使用していると少しずつではあるが、伸びてくるのでその時は張り替えた方が良い。
繊維の緊張が緩んだ状態で刷ると、通常よりも図像のズレが激しく起こる。
印刷後の版面に残るインクは、出来る限りヘラを使ってインクを撹拌した入れ物に戻す。ヘラで取りきれないインクは、溶剤や希釈剤を含んだウエスで充分に溶解して新聞紙で吸い取る。
専用の溶剤以外で洗浄した場合、インクの色がスクリーンに残りやすい。またインクの種類によっては、専用のクリーナー(洗剤)が販売されている場合がある。
いずれにしても、洗浄する場合には完全にインクを取り除いた後で中性洗剤での洗浄に移行する。先に水洗いをしてしまうのも、スクリーンにインクが残りやすい。洗剤で良く洗った後は、充分に水洗いを行う。
油性インクは、固まったり激しく分離しなければ長期保存する事は出来る。そのためには、完全にインク缶を密封して溶剤の揮発を防げば良い。
水性インクでは、メーカーが品質保証する期間が1年程度と短い。使用する量にもよるが計画的な購入が望ましい。
印刷に使用したインクは、溶剤を含んでいるので乾きにくくなっている。使用した紙コップや、空き缶にラップをかけておけば一定期間の保存に充分耐える。また、保管場所は高温な場所を避けなければならない。
刷り台にキズが付いたり、インクの汚れが固まったりする事が多いので、インク専用の溶剤でインク台の表面を洗浄する。
スクリーンの印刷では、インク台に起伏があると印刷結果に大きく影響が現れる。紙用の見当も剥がして、両面テープの残りがないかどうか確認を怠らない。刷りの準備と刷った後の片付けの時は、刷り台の洗浄と洗浄液の拭き上げが大切なメンテナンス項目となる。