第三角法による図面を元に外形線だけで描き、立体感や質感、固有色だけでなく、ロゴタイプや文字などのグラフィック要素を与え、より具体的な描画によってレンダリングする方法でよりリアルに形を把握していくための描画方法といえる。
 ラフスケッチの後、具体的な計画中に使われることが多く、プレゼンテーションにも用いられることも多く見られる。
 原寸法で描画すると、スケール感も把握しやすくなるだけでなく、組み立てや加工を想像しやすく、不具合などもより解りやすくなる。
 形態を描写するために光の反射を利用して他を省略する描画方法。基本的な描画方法は黒い紙に白色鉛筆やパステルなどで描く。
 光の反射を中心に描画するため、細かな描写にこだわらず素早く描くことができることや3次曲面の形状変化に集中した描画になるため、形態に集中することができるメリットがある。
 右作品は質感を強調するため、より具体的な描写をするために部分的に色を使っているが、反射光や屈折光などを利用して質感描写を丁寧にしている。
生徒作品:
 速乾性の油性マーカーを利用して形態の特徴やイメージを素早くダイナミックに描く技法である。外形線などの必要な線は水性の製図ペンを利用して、油性(アルコール系)のマーカーを重ねてもにじまないように工夫する。
 同じ油性でも石油系のマーカーはレーザープリンタからの出力紙やコピー機などを利用して下図を作成した場合、トナーを溶かしてしまい、黒く、色が濁って汚くなるので注意する。
 ぼかしやにじみを計算して描く技法が特徴的である。光の方向を決め、三次元の面方向に対する階調を設定し、色の濃度を調整する。
 また、ハイライト部分には色鉛筆やパステルとを併用する。
生徒作品:
 テクニカル・イラストレーションとレンダリングとの境目は微妙で、個々の領域ごとの慣習や解釈に依存する部分が多い。
 レンダリングは形態イメージからフリーハンドで描画したり、透視図法からの作図から描画するもので、デザインプロセスのどの段階でも用いられる。ただ、発想〜展開の段階で繰り返し用いるものとしてのイメージが強いともいえる。
 しかし、近年デジタル・ワークが実務の中心になってくると、制作した図面からの変換により簡単に作ることができるため、レンダリングもテクニカル・イラストレーションも同様になってしまう。
 ただし、デジタルワークは元々数値や座標点をきちっと設定して制作されるもので、未決要素や部分が多い、アバウトな段階では返って時間がかかることが多い。レンダリングでの思考と製図の作業が平行進行される場合も多い。
 プレゼンテーション用には、レンダリングでもリアルな描画を求められる。
 プレゼンテーションは美術やデザインを理解している人が見るものではなく、そうでない人たちの方が圧倒的に多いので、客観的な描画を心がける必要がある。
 最近ではCADや3Dアプリケーションの描画能力と処理速度が飛躍的に向上したので、これを利用して制作データを元にレンダリング出力を行うことが増えている。
 ハイライトレンダリングやマーカーレンダリングはデザイナーの思考のスタート段階で行われ、人に伝える、発表にはCGと使い分けが起こっている。
 組み立て図にもアナログワークでは大変だった透明感も、コンピュータワークなら簡単に描画することができます。
 Adober Illustrator を使って制作したプレゼンテーション用の図面の一部で、CADアプリケーションでできない描画能力を持っている。
 レンダリングに使用する画材は、上で紹介したデザインマーカーや絵の具、色鉛筆、パステルなど、モノトーンからフルカラーまで、使う画材もまちまちである。
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