図面からレンダリング用に線画を起こす時に「あると便利な」ガイドである。
 透視図法に基づいて、等間隔にガイドとなる線が引いてあり、1目盛りは上下左右奥行きで皆同じで、簡単に線画を起こすことが可能になっている。
 このガイドの上にトレーシング・ペーパーやマーカーパッドなどの紙を重ねて張り、透かして線図を起こす。
 45°法や30°-60°法など、2点透視図法にも種類があり、数枚のセットになって画材店で販売されているが、自作することも可能である。
パースガイドの一部(30°〜60°二点透視図法)
 レンダリングで主に使われるのは、速乾性の油性マーカーである。水性マーカーはあまり使用されない。油性マーカーにも「石油系」と「アルコール系」とがある。
 マーカーはスケッチを具体化していく段階で、使われることが主用途であるが、カラーバリエーションを作り、比較・検討する時にも多く使われる。その時、輪郭線をコピー機で複写すれば下書きを省略できる。しかし、以前よく使われていた石油系油性マーカーは、コピー機やレーザープリンタ機で使われている「トナー」を溶かしてしまい、黒く濁ってしまうので、次第にアルコール系マーカーが主流になった。
 1本で2種類の口先(チップ)を使い分けられるタイプが便利で、さらに口先の大きさや形状にも種類が選べ、交換して使うことができるものもある。補充用のインキによって自分で混色して独自の色を作ることもできる。
 いろいろなメーカーから提供されているので、好みも大切だが、色数の多いものや多様性から選べはいいだろう。
 水性ペンも太さ別に数社から販売されている。顔料系インキを使っているものが多いが、消しゴムで下図線を消すだけで薄くかすれることが多い。耐候性も低く変色も見られる。ペン先も耐久性が低いだけでなく、筆圧での太さのばらつきもあって製図ではあまり使われない。
 しかしレンダリングでは水性の製図ペンを使うことが多い。着色用に使われるドライ・マーカーが油性で、形状を描く線が同じ油性だと混ざって濁るので水性・油性を使い分ける必要がある。水性のマーカーは乾燥が遅いことや紙の伸びや皺、傷みなどによりあまり使われず、水性製図ペンにドライ・マーカーの組み合わせが一般的である。
 顔料をスティック状に固めたもの。レンダリングではスティックのまま使うより、削ってパウダー状にしたものを布などですり込み、広い面に使う。
 ケント紙などの円滑な表面を持つ紙には向かない。ぼかしが簡単にできるので、マーカーの上からも使うこともあるが、マーカー用紙は表面が弱いので擦りすぎないように注意すること。
 パウダーにできる反面、定着力が低く、擦れるとすぐに取れてしまうので、使用後は必ず定着液を丁寧に吹きかけておかなければならない。
 定着液にもパステル専用がある。一般的な定着液は石油系で、かけすぎると溶けてテカッてしまうからである。
 各メーカーから発売されているが、パラフィンの少ないものを選ぶ方が強い色が出る。
 普通の鉛筆よりも芯がとても柔らかいので、軸の太いものを選んだほうが、中で芯が折れていることが少なく、使いやすい。
 発色がよく伸びがいいものを選ぶ。どのメーカーでも専門家用には100以上の色数が用意されているので、鉛筆同様バラで購入できる。
 また水溶性の色鉛筆もあり、これで描写後に水を付けただけの筆で上からなぞると、水彩絵の具のような効果を出すこともできる。
 色鉛筆は広い面を描くときや細密描写するときなど、用途によって芯の削り方を工夫する。
 透明水彩や不透明水彩、ポスターカラー、アクリル絵の具、ガッシュなども状況で使われる。全体的に使い勝手がよくなったアクリル系絵の具に移行しているようである。
 レンダリングで最も使われるのは、ハイライトの白である。マーカーレンダリングでもハイライトの部分だけ紙色を残すだけでは弱いので、白でアクセントを付ける。
 絵の具は乾燥が遅く、トレースにも時間がかかるため、建築物の外観図などの特別な場合以外は使われなくなった。
 ただし、マーカーやパステルなどより説得力、存在感のある質感を作り出すことが容易である。
 パステルや鉛筆が擦れて落ちないように保護用の定着液で、現在ではスプレー式が一般的である。
 パステルや色鉛筆などはかけすぎると溶け出してタッチが消えてしまうので、30cm位離して、まんべんなく掛けても垂れない程度にとどめること。
これを改善しているのがパステル用フィキサチーフである。
 紙製のパレットは表面を防水コーティングされた紙が使われ、サイズもいろいろある。
 アクリル樹脂系の絵の具は油絵の具と違い、乾燥が早く、出しておくとすぐに固まってしまう。
 また水彩絵の具は固まっても水で溶け、再び使えるが、アクリル絵の具は固まったらそのままである。使い捨てでき、掻き取ったりしなくてよい分だけ便利である。