別にベタ摺りともいう。シナベニヤに限らず、摺りの途中で紙をめくりながら2度3度と摺りを繰り返すことによって、木目であるとか、ゴマ摺りの部分を消し去るような、均一で平坦な摺りのことをいう。
シナベニヤでは、明度の中間域の色彩が最も難しく至難の業。数回の異なる摺りを重ねるなど工夫する。
多用される技法で、色面に明暗の調子を生み出すして摺り取るテクニック。画面全体に絵の具を伸ばさず、特定の範囲のみ自然な色彩の変化を生み出すようにする。
絵の具をのせずに糊を伸ばし片側にのみ絵の具をつけてのばす。何度かブラシを往復させるうちに絵の具がちらばり、境界があやふやになった状態で摺る。ブラシの動きを一定に保つのがコツ。
表現に活かす目的で、板の木目を摺り取る方法。
糊を入れると木目がつぶれやすくなるのでその逆を行う。また、水分が少なめでないと、美しい微細な木目が得られない。
プレス機を使用すると、圧力が均一になりそこに板があるかのごとく美しい刷りが可能になる。その際、絵の具をのせたあと、ウエスで軽く拭き上げてから刷る。
白いゴマを撒いたような、まだらな摺り。本来、浮世絵の中で圧を軽めにしたり、絵の具ののせ方を工夫したりするものだったが、シナベニヤの版画では、普通にゴマ摺りになりやすい。
しかしながら、同じ状態のものを摺るには、他の摺りと同様に諸条件をそろえて行う。
凸部のエッジを、ヤスリがけをして滑らかに削り落とす。
削ったところは圧力が弱くなるので、自然に絵の具が付きづらくうっすらとやわらかいアウトラインを得る事が可能となる。
木版画の表現において、摺りが重要なテクニックになる。いくつかのテクニックについて説明する。