立体製図とは、<空間にある物体の位置や形状を、平面上に正確に表す図法>である。そのために物体と「視点(見ている位置)」とを「投射線(投影線)」により結びつけ、その中間に架空の「投影面」を想定して、物体を写す=投影する方法を編み出した。
 しかしこの投影法にも種類があり、右上図のように、投射線を1点に集中させて描画する場合を「透視投影」と呼び、右下図のように投射線を平行に求める場合を「平行投影」と呼ぶ。
 透視投影では視点は特定な位置に定め、1点(単視点)を固定して作図する。視点は平面図上に配置した後、透視投影図上で視高を加えて求める。
 透視投影法は固定された視点から輪郭線によって前後関係を説明する“古典絵画を規定する考え方”と同様のもので、ここでは触れないが、この視点と輪郭線の認識変化は、近代絵画の発展に大きく関係している。
透視投影
 平行投影の場合の視点: S は特定な場所ではなく、無限遠に想定される。そのため、物体の各点などの要素ごとに多数の視点を持つことになる。
 また、透視投影では単一視点であるために、投影面からの距離によって見かけの大きさが変わるが、平行投影では大きさをかえて描画する必要もなく、縮尺しなければ実際の寸法で描くことができる。
 平行投影のうち、投影面と投射線とが垂直になるものを「垂直(直角)投影」と呼び、これには「正投影」と「軸測投影」の2種類があり、斜投影図法では斜めに投影させる。
平行投影
 また1つの面だけで表現できる図法は「単面投影」と呼び、2面以上で表現しなければならないものは「複面投影」と呼んで分類される。
 下にその分類を表した。
 製図分類(製図の基礎〜分類)を以上のような投影方法の違いで分類すると、右図のように系統分類ができる。
投影図法の分類