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 線の種類と太さとの組み合わせは≪意味=機能≫に直結しているので、表示内容が第三者にも正確に伝わるように丁寧に描くことが大切である。
 図面全体で、使われているそれぞれの線の太さを統一して見やすく、美しく描くようにする。線は製図全体の基本技術である。ただ線を引くだけでなく、立体的な形や部品の組み合わせなど、線の機能をイメージして引くことが大切である。
線の種類一覧
名称
線種
太さ
描画上の注意
外形線
実線
太線
目立つように太く
ものの見える形状を表す。
かくれ線
破線
中線
外形線の半分の太さ
隠れて見えない部分を描く。
中心線
1点鎖線
細線
0.2mm以下の細い線
形状の中心を示す。
想像線
2点鎖線
中線
外形線の半分の太さ
外形線の半分の太さ
切断線
1点鎖線
中線
外形線の半分の太さ
中心以外で断面図にして表す時に切断箇所を示す。
破断線
実線
太線
外形線と同じ太さ
物体を破砕断面にするときにそれを示す。
寸法線/寸法補助線
実線
細線
0.2mm以下の細い線
寸法を表すために用いる。
引き出し線
実線
細線
水平から60°の傾きで引き出す
寸法、種類、加工法などの記入に用いる。
ピッチ円線
1点鎖線
細線
中心線と同じ
歯車などのピッチ円を示す。
ハッチング
実線
細線
45°で間隔2〜3mm位が標準
断面であることを示す平行車線。
 線は明瞭性と正確性の大原則に則り、丁寧に、均等な線を美しく描く。作業を急ぐあまり雑にならなってはならない。
 JIS 8312 製図〜表示の一般原則〜線の基本原則には、「実線」「破線」「1点鎖線」「2点鎖線」の4種類の線が決められている。
 右図で、d を0.25mm に取ると線と線の間隔は 3d = 0.75mm 、12d=3mmになる。
 線の太さには、比率で<細線・太線・極太線>の区別があり、およそ<1:2:4>と太さの違いを比率で定められている。
 太さの具体的な基準として《0.13、0.18、0.25、0.35、0.5、0.7、1、1.4、2mm》の9種類が使われる。
 この2つのルールをまとめると、細線=0.25mmを使うときには、太線を×2=0.5mm、極太線は×4=1mmを使うようにする。
 古い製図の書籍では、『細線・中線・太線の3種類で0.3〜0.8mm位を使う』と表記しているものや、細線(0.3mm以下)、中線(細線と太線の空間)、太線(0.4〜0.8mm)というように、それぞれに太さを規定しているものも多くある下表参照。
 しかし国際化に伴い、この規格は既に変更されているので注意すること。
*:
 これ以上の太い線になると、烏口(墨入れ)で長い線を引くことが困難になり、実用上の最も太い線が0.8mm位だからでもある。
JIS B 0001-1962
JIS B 0001-1973
JIS Z 8302-1973付属書(写真縮小される図面)
鉛筆描き
墨描き
太さの比率推奨DIN 15
太い線
0.8〜0.3mm
0.8〜0.4
0.8〜0.3mm
0.8〜0.3mm
2
中線
外形線の半分
(太線+細線)/2
1.4(√2)
細線
0.2mm以下
0.3mm以下
1
 上表によって、60年代〜70年代へ改訂を見ることができるが、この改訂で見据えているのはマイクロ写真への対応である。
 以前は太さで0.18mmなど小数点以下2桁まで規定されてはいなかった。手描きでの製図で厳密に決めても作業性が低下するだけで無意味であるが、国際化への対応から、inch(インチ=25.4mm)、Point(ポイント、1pt=1/72inch=約0.35mm)を使う欧米との対応を図る必要が生まれた。
ptで換算するなら、0.18mm=1/2pt、0.7=2pt、1mm=3pt、1.4mm=4ptの太さになる。
 ただし、ポイントは1/72inch=0.35277mmだけでなく、デジタル環境や同じデジタル環境でもPostscript環境でも微妙に長さが違う。
 国際標準化機構:ISOは本来、メートル条約からその組織をスタートした組織である。
 身体寸法から割り出された度量衡から離れて、国際間で共通の単位系統を求めたメートル法であるにも関わらず、度量衡のヤードポンド法に準拠している。日本では既に同じ度量衡である尺貫法が、ほとんど使われなくなっているが、欧米では未だに生きている単位系統である。
太さの基準となる9種類
JIS準拠の太さ
単位互換
0.13 mm ≒
1/8 mm
0.18 mm ≒
1/2 pt = 0.176 mm
0.25 mm ≒
1/4 mm = 1Q =1H
0.35 mm ≒
1pt = 0.35277 mm
0.5 mm ≒
1/2 mm
0.7 mm ≒
2pt = 0.72 mm
1 mm ≒
3pt = 1.07 mm
1.4 mm ≒
4pt = 1.44 mm
2 mm ≒
6pt = 2.14 mm
国際標準化機構(ISO : International Organization for Standerd ):スイスブネーブに本拠を置く組織で、国際的に共通する標準化規格を策定している。