正投影では1つの投影面だけで物体を表すことができない(複面投影)ため、2つの投影面を直交させて空間を作り、それぞれを「第1象限」〜「第4象限」の4つの空間に分割する。
 第1象限内に物体をおいて作図する方法を、「第一角法(First angle projection Method)」といい、第3象限内に物体をおいて作図する方法を「第三角法(third angle projection Method)」と呼ぶ。
 下の図のように第一角法と第三角法では全く描画位置や形が変わるので、理解と注意が必要である。
Method E:
 図学は主にヨーロッパを中心として発達してきたこともあり、第1角法を使う伝統があります。そこで第一角法のことをEuropeの頭文字を取り、Method Eとも呼びます。

Method A:
 日本やアメリカでは合理的な第三角法を用います。第三角法をMethod Aとも呼ばれます。
正投影図法でも投影面の違いによって、上図のような違いが出る。
V.P. : vertical plane
H.P. : horizontal plane
 日本で使われている正投影図法は第三角法である。見えている面をそのまま画面に描くので、間違いの少ない図面を効率よく描きやすい利点がある。
 第三角法では正面図をそのままにして各面を平面上に広げていくので、平面図が上、右側面図は右(左側面図は左)になる。
 第三角法では正面図の上画面に上から見た形を平面図として描き、側面図(底面・背面図)はそれぞれの方向に、必要に応じて描かれる。
 第一角法は概念図で示したように第一象限に物体をおいて投影面に表す。第一角法(第一象限)ではスクリーンが見ている後ろ側にくるため、見える面の反対側を描くことになるため、初心者はよく混乱する。
 図学で点や線を表すことはそれ程難しいことではありませんが、立体は慣れるまで少し混乱する人も多い。
 図学を詳しく学ぶならしっかり理解していかなければならないが、そうでない場合、混乱するよりは第三角法の逆と覚えておく方が簡単になる。