寸法(:dimension)の記入は、図面を読み取る人のことを考え、読み誤りのないように、補助記号などを含めて丁寧に且つ、正確に表示する必要がある。
 寸法線、寸法補助線、引き出し線、寸法補助記号などと「寸法数値」によって表す。
 水平方向の寸法線には図面に対して下辺から垂直方向に、垂直方向の寸法線には、右辺方向から読めるように、斜め方向でもこれに準じるように、文字・数字を書く方向は限定されている。
  • 古い製図資料では寸法線を2つに分け、その間に寸法数値を記入していたが、現在では必ず<寸法線の上>に記入する。
  • 寸法単位は、通常 mm(ミリメートル)を使用し、単位記号を付けない。
  • 小数点もはっきり明記する。
  • 桁数が多い場合でも3桁ごとのコンマは付けず、字間を空けるだけにする。
  • 角度の単位は度を使い「°」で表します。必要によっては分、秒を併用して利用し、「′」、「″」で表す。
 寸法線(demension line)は測る長さ方向、または角度と平行に引す。寸法の位置を知らせる(寸法線の両端)寸法補助線(projection line)は図中の点や線の中心から引き出す。
 図形の読み取りを邪魔しないようにはっきり離したところに寸法線を引く。内側には小さな長さを取り、外側に行く程、大きな長さを表示していき、寸法線の間隔は均等に取ること。
 寸法補助線は寸法線の交点より3mm位長く引く。また、寸法補助線はできるだけ交差しないように描く場所を決めること。
狭小部での寸法記入について:
 寸法数値、加工方法、注記や照合番号などを記入するために用いる引き出し線は、図形から斜めに引き出す。
 寸法数値や注記などは引き出し線を水平に折り曲げてその上に記入する。
 寸法補助記号(symbol for deimensioning)は、寸法数値に付け加える簡単な記号で、数値の意味をより鮮明にするために用いられる。
 これらは寸法数値の後ろ、上部に付けて使うものが多い。
  1. 寸法補助記号φを利用すれば、必ずしも円を表記しなくてもよい場合がある。
    1で正面図内のφ記号によって断面が円であることを示しているので、右側面図=補足図を記入する必要はない。
  2. 円内に直径寸法を記入する時には、φ記号を使わない。
  3. 引出線を用いる時には水平に折り曲げた上にφ記号を使い、直径を明記する。
  4. 半径寸法は中心方向から引き、円弧側だけに矢印を付ける。半径の寸法数値にはRを付けて表す。
  5. 図のように中心を表示する場合には、寸法数値にRを付ける必要はない。
  6. 小さな半径など寸法数値を記入するためのスペースがない場合には、状況に応じて右図にある表示方法から適切なものを選択する。
 角度(angle)の寸法線の記入には、角度を構成する2辺またはその延長線の交点を中心として円弧を用いて表示する。
 テーパーの表示方法は右の図のように比率を使って表示する。
 
面取り(chamfer):
エッジのあたりを緩めるために角を斜めに削り取ることを面取りと言います。
文字記号による寸法記入:
 直接寸法を記入せず、記号に置き換えて表示し、対応表を付ける。
 殆ど同じような寸法で、一部のみ違う時など有効な記入法である。

座標による寸法記入:
 穴あけなどで穴の位置を座標X、Yを使って表示することも可能である。この場合にも対応表を作成する必要になる。