●ニードル:
エッチングやドライポイントで使用する銅版画の代表的な道具。柄と針が一体成形された金属製のものと、木製の柄に針を埋め込んだものがある。鉛筆で描画するようにして、使用する。
●オイルストン:
ニードル等描画に用いる道具の刃先を研磨する道具。大きさやヤスリ目の細かさには種類がある。機械油を含ませて使用し、道具の形状に応じた動きを加えることによって刃先を研ぐ。
●ロッカー:
メゾチント技法で用いる目立て(微細な凸凹をつくる)用の道具。大きさと刃の密度に種類がある。
刃先は細かくデリケートで欠けやすいため、未使用時の保管や取り扱いには注意が必要。ロッカーの使用法はまず、刃先を一文字に構え、刃先とヒジを台座に固定する。刃先は力を加えて銅の板に押し付け、ヒジを支点として左右に振りながら移動していく。一方向に目立てが終わったら、刃の方向がクロスするように向きを変えて同様の作業を進める。刃の方向は複数回変化させて均一な目立てをすることが望ましい。なお、刃先をクロスさせる回数は、制作者にもよるところだが、4方向(縦・横・左斜め・右斜め)を1セットとすれば6セット以上で、肌理が細かく美しい色彩の発色を得ることができる。
●ルーレット:
部分的に目立て(微細な凸凹をつくる)をする道具。柄の先端で細やかな刃が刻まれた円筒がローラーのように回転する仕組みになっている。手に持って銅の板に押し付けるように転がして用いる。
ロッカーと同様の効果が得られるが、出来上がる凹凸の深さは、こちらの方が浅い。円筒の幅と刃の密度、刃の形状に種類がある。