銅板:
 0.6ミリ〜1.5ミリの厚さのものが使われ、その中でも0.8ミリが日本では標準的。一般的に薄くても耐えるが、直接技法の場合は厚めの方が無難。

防食シート:
 カッティングシートは、版の裏面を防食するために用いる。塩化ビニールを素材とするものであれば、壁紙や塗料なども使用できる。
 あらかじめ防食加工を裏面に施した版材も市販されているが、直接技法のみの場合にバックコートは必要としない。
金工ヤスリ:
 銅版画全般に共通する銅の加工に、プレートマークがある。これは、凹版として印刷する際に版画紙が高圧力によって断ち切れないような工夫で、銅版の四辺に上向きの傾斜になるような面取り加工を指す。
 その時に使うのが金ヤスリで、目の細かさも2種類から3種類を使い、粗いものから細かいものへ段階的に進められる。
 プレートマークの作成は製版終了時に再度プリント直前の仕上げを行うのが通例で、製版のスタート時には、形を整えるにとどめる場合が多い。

耐水ペーパー:
 #80〜#2000あたりまで幅広く用いる。それぞれ粒子の大きさが異なり、複数種を組み合わせて使用することになる。先端のある他の道具とは違い、広い面積を均一に削る事が出来る。水とともに研磨すると仕上がりは良い。

研磨剤:
 この金属磨きは、版面の細かな傷を研磨し、平滑な表面を得るために用いる。深い傷については耐水ペーパーで凹凸を削った後、金属磨きをかける。

スクレーパー・バニッシャー:
 スクレーパー、バニッシャーは銅版画の全般で使用する大切な道具である。
 プレートマークの仕上げの工程では、ヤスリがけでできたバリを削る目的で、スクレーパーを用いてこそぐ。その後、機械油を適量たらして バニッシャーで完全に平滑な表面が得られるまで磨き上げる。
 製版のプロセスでも直接、銅の彫金をする場合にはスクレーパー、バニッシャーを多用する。特にアクアチント、メゾチントなどにおいて、色面の中でトーンを設ける場合や、形態にボリュームを描いたりハイライトを描いたりする場合に必要とされる工具でもある。
 両者とも制作者によって様々な形状が要求され、市販のものでもその種類は多い。自作する専門家も多い。