長期間使った定規や製図器には高精度なもの程、必ず狂いが生じます。定規類、コンパスなどの汚れは直接的、間接的に図面を汚す。動きの悪いコンパスは精度まで狂わせるので、使用後の手入れは必ず行うこと。
 鉛筆で線を引く時、同時に黒鉛を定規に擦り付けていることにもなる。また定規は図面上で移動させても擦れて汚れる。
 定規はぬるま湯で中性洗剤を使い、定期的に洗って使うようにする。洗浄後はよく水分を拭き取っておくことも必要である。
購入時の注意:
 三角定規はそれぞれの直角の角を合わせて直定規に合わせ、どこにも隙間がないことを確認してから購入すること。
 使い終わったら手の油をよく拭き取っておけば、本体にはそれ程気を遣うことはない。油を差すことは滅多に必要なく、動きが硬くなった時だけ、極少量使うだけでよい。
 ただし、保存場所には注意が必要で、なにより錆に対しての配慮が必要になるからだ。本体はステンレスでも黒い針先は鉄が使われている。錆びた針は図面を汚してしまうので注意が必要になる。
 錆びてしまった場合、別売りのネジや針と交換する。ねじ類なども用意されているので、メーカー、画材店で確認する。
 油性マーカーを使った時の汚れはアルコールを染み込ませたきれいな布で拭きとる。ただし、アクリル製の定規に使いすぎると細かなひびが入って痛めるので、注意が必要である。
 長期間使用した定規は中央部が一番すり減り、すり減った定規では直線が引けないので、他の定規と合わせて隙間を確認する。
 黒鉛は手の油と一緒になって図面を汚すので、手洗いをこまめにする。手袋をして作業をする人もいるくらいにケアしなければならない。
 定規や製図器だけでなく、自分の手の汚れが意外と図面を汚していることに気づいていない人が多いようである。特に定規を押さえる側の手のひら、線を引く側の手の裏、小指側、製図用紙と接する側にも注意する。