小林さやか
芸術文化学科 造形研究コース 2017年度卒業
美術館や出版物、TVなどを通して多くの人が美術に親しみ、デザインや建築もまた、生活の一部として私たちを取り巻いています。造形研究コースは、こうした造形芸術を深く理解し、それを自分の言葉で表現できる真摯な研究者、優れた鑑賞者を育てることを目的としたコースです。
学習内容には、造形史、造形論、媒体研究の3つの柱があり、これらを横断的に学びながら、文献資料の読解や分析、研究テーマの発見、テーマに沿った見解の構築といった研究の方法論を身につけていきます。
また、造形文化科目に、美術史や美術論などに関する重要な科目が開設されており、造形の歴史や理論についての基礎的な知識を得ることができます。さらに、実技やフィールドワークの重視など、ムサビ通信ならではのカリキュラムによって、自分の目でナマの現象を捉え、そこから問題を発掘していく力を養います。
造形がいかにして今日のような存在になり、われわれに何をもたらしてきたのか。造形が身近なものになり、情報があふれている今だからこそ、そのことを改めて考えることの意味は、私たち自身を知るうえでも、人間の未来にとっても、決して小さくないと言えるでしょう。
「幽微を探らざれば、その奥に至りがたし」これは、号”探幽斎“の由来とされる一節だ。探幽が求めた「幽微」とは、 どのようなものだったのか。「鳥」の表現には、 空間構成による主題の明確化があり、動的表現による時間と情緒がある……。 そこには、少なからず中世から近世へと移り変わる 時代性も映し込まれているのだ。
狩野派を「一変」したともされる狩野探幽は、画風は淡麗瀟洒、余白を生かした画面に特徴があるとされてきたが、果たして彼の作品的な特徴はそれだけであろうか。激動の時代に身を置き、長きにわたって江戸幕府の中枢で活躍することとなった御用絵師と、その変化していった画風。本研究では、探幽の描いた「鳥」をテーマに、狩野派として受け継がれる技術のみならず、作品における情緒的な特徴を捉え、新たな視点を見つけ出そうと考えたものである。狩野探幽が生きたのは、中世から近世へと移り変わる激動期であり、江戸幕府がその権力を確立していく時代である。京の公家衆の掌握を強く意識した幕府の文化政策や、大徳寺や茶の湯とのかかわり、他派の絵師との交流など、狩野派の流れだけでなく多角的に探幽の置かれた立場とその背景を考察することから、作品がその時代性を少なからず表していることを浮き彫りにしつつ、なかでも日本的な表現を感じさせる「鳥」の描き方から、探幽個人が求めた「幽微」の一端に迫る。
小林さやか
芸術文化学科 造形研究コース 2017年度卒業
タイ北部ラーンナー地方の寺院で見た釈迦前世物語の壁画。物語の進行を無視して場面展開されている。一体なぜなのか。謎を解くために、タイ語を学び、タイ美術の文献を漁り、三寺院の壁画を採寸して写真に撮り、分析を進めた。やがて、一見するとランダムな場面展開が、限られた壁面内で善業功徳や因果応報を絵解きするための、合理的な配置であることが明らかになってくる……。
本論文は、タイの仏教寺院壁画に表現された仏教説話「ジャータカ第547話」の場面配置の特性を探るものである。547話は物語仕立てになっているが、その物語に則して壁画を「読んで」みると、物語の進行を無視しててんでばらばらに場面が配置されているように見える。なぜ、そのような場面配置になっているのか。タイを訪れて、壁画を前にした時に抱いた疑問の答えを探るのが目的である。 対象とする範囲は、壁画の制作年代を19世紀後半から20世紀初頭、地域をラーンナー地方(北部タイ)とした。 三つの寺院を事例としたにとどまったが、地域と制作年代を限定したことに加えて、タイ人の人口に膾炙した「547話」を分析対象にしたことによって、場面配置の特性が明確になったと考える。 出発点はごく個人的な疑問であったが、結果としてある程度一般化できそうな答えが得られた。それは本文の通りであるが、かいつまんで言えば、ばらばらの裏には幾つもの合理性があったのである。
青木慶太
芸術文化学科 造形研究コース 2016年度卒業
造形作品を支える物質的な形態やそれを支える技術的な背景について考えることを通して、造形をそれぞれの時代の文化的・社会的な構造との関わりにおいて捉えることを意図しています。特に、印刷文化論、映像文化論などの造形文化科目で得られる認識は、現代の私たちにもつながる、近代における大衆文化の成立と印刷術や写真術などの複製技術との密接な関連を知る基盤となります。
(関連科目 : 造形文化科目における美術理論関連科目、編集研究、媒体組成研究など)
造形という現象を知的な理解と説明の対象として捉えることを通して、造形についてのさまざまな知見を把握し、それらの知見を比較分析しながら、自らの言葉で造形を語り記す手だてを身につけることを目指しています。なかでも、民芸論、美術論、現代芸術論、工芸論などの造形文化科目で示される課題は、造形を論ずる際のさまざまなアプローチを発見する手がかりとなるでしょう。
(関連科目 : 造形文化科目における美術理論関連科目、造形学概論、造形学研究など)
美術・デザイン・建築など、さまざまな造形領域の歴史を学ぶことを通して、造形の多様性やその成立の背景への理解を獲得します。とりわけ、日本美術史、東洋美術史、西洋美術史、建築史、デザイン史などの造形文化科目における学習は、人類がつくり出した膨大な作品群を歴史的に把握する視点を養うとともに、そうした歴史的な視点自体を常に捉え直す意識にもつながっていきます。
(関連科目 : 造形文化科目における美術史関連科目、造形民俗学など)
造形研究の多様な視点を把握し、各自の研究の立脚点を把握する視点を構築する。
様々な方法論を、歴史的に遡及して探索したうえで、その今日的な意味を検討する。
研究のための基礎資料の収集と分析を行い、造形研究のあり方自体への批判的検討を行う。
芸術文化とりわけ造形芸術は、材料やその使用技法という物質的な要素を抜きに存在しえない。
ここでは、造形芸術におけるこうした物質的要素を、記録や伝達、表現といった機能を個別的な作品として成立させる媒体としてとらえ、その時代的・地域的な特性や、例えば絵画における壁画・タブロー・挿絵等といった媒体の形式と美術館・印刷物・映像等による作品の鑑賞・受容のあり方とのかかわりを把握することをとおして、造形芸術に対するより深い理解を獲得する。
レポート入門Ⅰ
レポート入門Ⅱ
コンピュータリテラシーⅠ
コンピュータリテラシーⅡ
美術入門
デザイン入門
哲学
著作権法
日本美術史
西洋美術史Ⅰ
美術論
造形基礎Ⅰ ●
造形基礎Ⅱ ●
造形基礎Ⅲ ●
造形基礎Ⅳ ●
レタリング
イラストレーション
デザインリサーチⅠ ●
コンピュータリテラシーⅢ
文学
民俗学
東洋美術史
西洋美術史Ⅱ
デザイン史
演劇史
民芸論
工芸論
ワークショップ研究Ⅰ
デッサンⅠ
タイポグラフィ
絵本
版画Ⅰ
デザインリサーチⅡ ●
美術の歴史と鑑賞
建築史
印刷文化論
デッサンⅡ
ブックバインディング
映像メディア表現Ⅰ
グラフィックデザイン基礎Ⅰ
ミュゼオロジーⅠ ●
造形民俗学 ●
メディア論(選択) ●
生涯学習概論(選択) ●
編集研究 ●
造形学概論 ●
現代芸術論
映像文化論
アートマネージメント
彫塑Ⅰ
デザインⅠ
パッケージデザイン
図法製図Ⅰ
資料情報処理 ●
媒体組成研究 ●
造形学研究 ●
卒業制作 ●
この科目「感情と色彩」では、色彩の原初的体験と色彩の対比について学びます。色は、光が物に当たり反射することによって脳が感じている光の波長です。物質の性質の違いによって私たちには異なった色として見えますが、そんな色に対して私たちは子どもの頃から「美しさ」や「面白さ」を感じ、花や木や太陽をクレヨンなどの色材を使って描いたりしてきました。色は、私たちにさまざまな感覚や感情を抱かせる魅力的な要素なのです。
通信授業課題では、さまざまな素材の色を採取します。恣意的に色を選択するのではなく、自然からものを選び、その色の特長や色の組み合わせに美しさや面白さを感じながら、新しい色を発見することが目的です。面接授業(スクーリング)課題では多人数の中での課題制作を通して、たくさんの色彩表現の可能性を体験することになるでしょう。
色彩は美術やデザインを学ぶものにとって、形の修練と並んで大切な要素であり、原点に立ち返ってさまざまな色を体験して欲しいと考えます。たくさんの色を経験することによって得られた色彩表現の可能性は、必ずやこれから進む分野で生かされることだと思われます。
この科目「感情と色彩」では、色彩の原初的体験と色彩の対比について学びます。色は、光が物に当たり反射することによって脳が感じている光の波長です。物質の性質の違いによって私たちには異なった色として見えますが、そんな色に対して私たちは子どもの頃から「美しさ」や「面白さ」を感じ、花や木や太陽をクレヨンなどの色材を使って描いたりしてきました。色は、私たちにさまざまな感覚や感情を抱かせる魅力的な要素なのです。
通信授業課題では、さまざまな素材の色を採取します。恣意的に色を選択するのではなく、自然からものを選び、その色の特長や色の組み合わせに美しさや面白さを感じながら、新しい色を発見することが目的です。面接授業(スクーリング)課題では多人数の中での課題制作を通して、たくさんの色彩表現の可能性を体験することになるでしょう。
色彩は美術やデザインを学ぶものにとって、形の修練と並んで大切な要素であり、原点に立ち返ってさまざまな色を体験して欲しいと考えます。たくさんの色を経験することによって得られた色彩表現の可能性は、必ずやこれから進む分野で生かされることだと思われます。
この科目「感情と色彩」では、色彩の原初的体験と色彩の対比について学びます。色は、光が物に当たり反射することによって脳が感じている光の波長です。物質の性質の違いによって私たちには異なった色として見えますが、そんな色に対して私たちは子どもの頃から「美しさ」や「面白さ」を感じ、花や木や太陽をクレヨンなどの色材を使って描いたりしてきました。色は、私たちにさまざまな感覚や感情を抱かせる魅力的な要素なのです。
通信授業課題では、さまざまな素材の色を採取します。恣意的に色を選択するのではなく、自然からものを選び、その色の特長や色の組み合わせに美しさや面白さを感じながら、新しい色を発見することが目的です。面接授業(スクーリング)課題では多人数の中での課題制作を通して、たくさんの色彩表現の可能性を体験することになるでしょう。
色彩は美術やデザインを学ぶものにとって、形の修練と並んで大切な要素であり、原点に立ち返ってさまざまな色を体験して欲しいと考えます。たくさんの色を経験することによって得られた色彩表現の可能性は、必ずやこれから進む分野で生かされることだと思われます。
この科目「感情と色彩」では、色彩の原初的体験と色彩の対比について学びます。色は、光が物に当たり反射することによって脳が感じている光の波長です。物質の性質の違いによって私たちには異なった色として見えますが、そんな色に対して私たちは子どもの頃から「美しさ」や「面白さ」を感じ、花や木や太陽をクレヨンなどの色材を使って描いたりしてきました。色は、私たちにさまざまな感覚や感情を抱かせる魅力的な要素なのです。
通信授業課題では、さまざまな素材の色を採取します。恣意的に色を選択するのではなく、自然からものを選び、その色の特長や色の組み合わせに美しさや面白さを感じながら、新しい色を発見することが目的です。面接授業(スクーリング)課題では多人数の中での課題制作を通して、たくさんの色彩表現の可能性を体験することになるでしょう。
色彩は美術やデザインを学ぶものにとって、形の修練と並んで大切な要素であり、原点に立ち返ってさまざまな色を体験して欲しいと考えます。たくさんの色を経験することによって得られた色彩表現の可能性は、必ずやこれから進む分野で生かされることだと思われます。
この科目の目的は、手製本の実践を通じて「もの」としての本の構造を知ることと、素材の性質を踏まえながら作業工程を慎重にこなし、製本作品を仕上げる技術の習得です。導入講義では、製本構造について分析するとともに、本の歴史をたどり、手製本の工房の仕事を紹介します。出版業界や司書など本に関わる分野で、「もの」としての本の構造を知っておくことは必要だと考えますが、一方、造形分野でも作品を本として仕立てたり、アーティストブックを制作するなど表現手段としての可能性を持っています。また、パソコンの普及により、個人で印刷までできるようになり、それをまとめる手段の製本もあります。授業では製本の基礎を学びますが、各自がそれぞれの本との関わりを再考し、本の世界への興味を新たに広げ、製本の可能性を探るきっかけになることを願います。
この科目の目的は、手製本の実践を通じて「もの」としての本の構造を知ることと、素材の性質を踏まえながら作業工程を慎重にこなし、製本作品を仕上げる技術の習得です。導入講義では、製本構造について分析するとともに、本の歴史をたどり、手製本の工房の仕事を紹介します。出版業界や司書など本に関わる分野で、「もの」としての本の構造を知っておくことは必要だと考えますが、一方、造形分野でも作品を本として仕立てたり、アーティストブックを制作するなど表現手段としての可能性を持っています。また、パソコンの普及により、個人で印刷までできるようになり、それをまとめる手段の製本もあります。授業では製本の基礎を学びますが、各自がそれぞれの本との関わりを再考し、本の世界への興味を新たに広げ、製本の可能性を探るきっかけになることを願います。
この科目の目的は、手製本の実践を通じて「もの」としての本の構造を知ることと、素材の性質を踏まえながら作業工程を慎重にこなし、製本作品を仕上げる技術の習得です。導入講義では、製本構造について分析するとともに、本の歴史をたどり、手製本の工房の仕事を紹介します。出版業界や司書など本に関わる分野で、「もの」としての本の構造を知っておくことは必要だと考えますが、一方、造形分野でも作品を本として仕立てたり、アーティストブックを制作するなど表現手段としての可能性を持っています。また、パソコンの普及により、個人で印刷までできるようになり、それをまとめる手段の製本もあります。授業では製本の基礎を学びますが、各自がそれぞれの本との関わりを再考し、本の世界への興味を新たに広げ、製本の可能性を探るきっかけになることを願います。
この科目の目的は、手製本の実践を通じて「もの」としての本の構造を知ることと、素材の性質を踏まえながら作業工程を慎重にこなし、製本作品を仕上げる技術の習得です。導入講義では、製本構造について分析するとともに、本の歴史をたどり、手製本の工房の仕事を紹介します。出版業界や司書など本に関わる分野で、「もの」としての本の構造を知っておくことは必要だと考えますが、一方、造形分野でも作品を本として仕立てたり、アーティストブックを制作するなど表現手段としての可能性を持っています。また、パソコンの普及により、個人で印刷までできるようになり、それをまとめる手段の製本もあります。授業では製本の基礎を学びますが、各自がそれぞれの本との関わりを再考し、本の世界への興味を新たに広げ、製本の可能性を探るきっかけになることを願います。
映像とは、写真、映画、テレビ、ビデオなどを中心とした、比較的新しい表現方法であり、その特性は記録性、再現性、現実性、訴求力の高さです。また、伝達媒体、メッセージ、言語という側面も持っています。この授業では、動的映像設計を主体とした表現について、その歴史をひもとき、特徴を理解し、映像制作の過程を丁寧に演習しながら、作品構成のプロセスを学びます。実地でのカメラによる撮影や編集作業などは授業課程中には含まれませんが、単なる「ビデオ制作のハウツー」ではなく、「動画による表現」の核心に触れることを目的とします。
映像とは、写真、映画、テレビ、ビデオなどを中心とした、比較的新しい表現方法であり、その特性は記録性、再現性、現実性、訴求力の高さです。また、伝達媒体、メッセージ、言語という側面も持っています。この授業では、動的映像設計を主体とした表現について、その歴史をひもとき、特徴を理解し、映像制作の過程を丁寧に演習しながら、作品構成のプロセスを学びます。実地でのカメラによる撮影や編集作業などは授業課程中には含まれませんが、単なる「ビデオ制作のハウツー」ではなく、「動画による表現」の核心に触れることを目的とします。
映像とは、写真、映画、テレビ、ビデオなどを中心とした、比較的新しい表現方法であり、その特性は記録性、再現性、現実性、訴求力の高さです。また、伝達媒体、メッセージ、言語という側面も持っています。この授業では、動的映像設計を主体とした表現について、その歴史をひもとき、特徴を理解し、映像制作の過程を丁寧に演習しながら、作品構成のプロセスを学びます。実地でのカメラによる撮影や編集作業などは授業課程中には含まれませんが、単なる「ビデオ制作のハウツー」ではなく、「動画による表現」の核心に触れることを目的とします。
映像とは、写真、映画、テレビ、ビデオなどを中心とした、比較的新しい表現方法であり、その特性は記録性、再現性、現実性、訴求力の高さです。また、伝達媒体、メッセージ、言語という側面も持っています。この授業では、動的映像設計を主体とした表現について、その歴史をひもとき、特徴を理解し、映像制作の過程を丁寧に演習しながら、作品構成のプロセスを学びます。実地でのカメラによる撮影や編集作業などは授業課程中には含まれませんが、単なる「ビデオ制作のハウツー」ではなく、「動画による表現」の核心に触れることを目的とします。
入学時には選考料・入学金、卒業までには授業料のほか、スクーリング受講料(面接授業)などが必要です。スクーリングは卒業までに30単位修得しなければなりませんので、年間平均で6~8単位のスクーリングを受講することになります。最短で卒業した場合、学費の概算は下表のとおりです。
年次 | 選考料・入学金 | 授業料 | スクリーング受講料 | 合計 |
---|---|---|---|---|
3年次 | 20,000円 + 30,000円 | 300,000円 | 13,000円 × 6単位 | 428,000円 |
4年次 | 300,000円 | 13,000円 × 8単位 | 404,000円 | |
832,000円 |