赤木 歩
芸術文化学科 文化支援コース 2016年度卒業
今日、都市空間における最先端のアートや文化遺産などが注目され、地域コミュニティの形成に芸術文化を活用しようとする動きも、かつてないほど高まっています。私たちと芸術文化の関わりは、誰もがその創造や伝達の場に関与するあり方へと、大きく変わりつつあります。文化支援コースは、こうした変化に対応し、さまざまな立場から芸術文化の創造を支援し、その伝達を担う人材の育成を目ざしています。
具体的な学習内容は、博物館の学芸員課程に準拠し、博物館学を中心とした「ミュゼオロジー」を軸に、「生涯学習論」、「地域文化研究」によって構成されています。この3つの柱を通して、美術館、博物館では歴史的にどんなことが行われ、今そこで何が起きているのかを学び、アートと社会の関係について考え、美術館や博物館、あるいはより広い場で専門家として果たすべき役割についての学習を深めていきます。
一般大学の学芸員課程との大きな違いは、理論だけではなく、総合科目で実制作に取り組むこと。つくり手をサポートする上でも、受け手により的確なメッセージを送る上でも、きわめて有効な体験となるはずです。
美術館・博物館の企画・運営に携わる専門家はもとより、芸術文化に関するさまざまな社会的活動に対しても、専門的な知見を身につけた市民の参加が求められています。こうした社会的な要請に応えようとするのが文化支援コースです。
※ 本コースの造形専門科目は、博物館に関する科目を中心に構成されていますが、学芸員課程を履修する場合には、 他の所定の科目の単位修得が必要となります。
故郷、大分県国東半島の「石造美術」について
研究したいと考えた。生まれ育った地域を
特徴づける美術文化と、それらを育んできた風土を理解することが、
これから出会う様々な事物との積極的な対話に繋がるのではないか。
今後も自身の見方や考え方を深めることで、
多様な文化に対する興味関心を広げたい。
石像物が数多く残されている大分県の中でも、県北に位置する国東半島の石像物の現存数は際だっており、地域を特徴付ける文化の一つであるといえる。自然の素材である「石」を用いて時代時代の人々によって祈りを込められ、造り溜められてきた石像物であるが、現代人の視点によって、文化遺産、観光資源といった様々な見方や関わり方が存在する。近年、視点の違いによって問題が起こっているところもある。
人口減少や高齢化によって地域文化の継承が危ぶまれている中、石像物やそれらを含めた里山景観を丸ごと次世代に伝えていくためにはどのような方法があるのか。公的なシステムによる評価の観点を明らかにし、そこからこぼれおちる価値についても考察する。
赤木 歩
芸術文化学科 文化支援コース 2016年度卒業
本土復帰式典をはじめ、地元沖縄の現代史における重要な足跡を刻んできた那覇市民会館。伝統的な住居建築の特色を現代建築に昇華させた美しい建築物はまた、地元の「文化の殿堂」であった。それが今、築50年を待たずして解体へ向かおうとしている。 建築物とは、建設行為とは何か。その問いを胸に卒業制作論文に取り組んだ。
1970年代に開館した那覇市民会館は、72年に沖縄の本土復帰式典が執り行われた公会堂である。混乱の時代の、多くの人々の熱意や思いが込められた建物である。沖縄の伝統的な住居建築の特色を現代建築に昇華させた建築は、その後の沖縄の現代建築の流れを変えたともいわれる存在であり、地元の多くの文化を育んだ殿堂としての存在でもある。 那覇市民会館という沖縄の現代史を語る最大の記憶装置は、建築物として高い評価を受けていながら築50年足らずで老朽化を理由に解体へ向かおうとしている。本稿では、なぜ解体に向かうのか検証を試みた。公共建築の存続には行政が深く関わるが、そこには、沖縄ならではの事情も見えた。1990年以降、戦前戦後に建てられた建築物が次々と姿を消し、まちの景色が急速に変化する那覇市。経済行為としてとらえられる建設行為は、まちの景色を変え、住民の暮らしをも変化させる。建築物をつくるということは、文化的行為であるのだと改めて考えた。
金城香代子
芸術文化学科 文化支援コース 2017年度卒業
文化という概念の成立や変容をあらためて捉え直し、そうした文化を研究把握の対象としたこれまでの試みを振り返るとともに、文化環境の地域による多様性に目を向けることで、さまざまな文化活動の外枠となっている地域的な背景の重要性を把握します。あわせて、芸術文化を地域社会全体で支えていくという考え方が今日的なものとなっていることに着目し、そうした考え方の前提となっている公共性のあり方やそれをめぐる私たちの意識について検討します。
(関連科目:文化支援研究など)
学校という場に限られない今日の社会における多様な「学び」のかたちを知ることを通して、芸術文化の成果を社会に伝えるうえでの前提や条件を把握するとともに、自ら学ぶことの意義やその手だてを発見していきます。これは、通信教育課程において学ぶ自身の立場を理解することにもつながっています。あわせて、膨大な情報を伝える現代のメディアのあり方を具体的に検証することで、受け手が情報を主体的に活用するすべを探っていきます。
(関連科目:生涯学習概論、メディア論など)
美術館を中心とした博物館の理念や歴史、現状や課題、ワークショップやアウトリーチに見られる新たな試みなどを学ぶことを通して、私たちと芸術との関わりや、社会における芸術文化のあり方についての理解を深め、今後の展開に向けたプランニング力を育むことを目指しています。日本美術史、東洋美術史、西洋美術史、建築史、デザイン史などの造形文化科目における学習で芸術文化の多様な成果に触れることが、これをさらに実り多いものにします。
(関連科目:造形文化科目における美術史関連科目、ミュゼオロジーⅠ、ミュゼオロジーⅡ、博物館実習など)
「自ら学ぶ」ということを主要テーマにして、誰もが、いつでも、どこでも学べる生涯学習社会の実現が提唱されて以来の教育施策の理念と具体的な歩みを学ぶ。
また、博物館と美術館を中心に、図書館や公民館などの社会教育機関が市民の学習活動にどのように貢献しうるかを探る。そして生涯学習を支えるために求められる基本的技量を自らが獲得しスキルアップしていく手がかりを得ることを目指す。
これまで学んできた博物館に関する科目の学習成果を再度総合的に検討し再整理するとともに、キュレーター、マネージャー、エデュケーターとしての博物館業務のシミュレーション的実習を経て、現在の博物館の現状を包括的に分析し、将来的な展望を検討する。
レポート入門Ⅰ
レポート入門Ⅱ
コンピュータリテラシーⅠ
コンピュータリテラシーⅡ
カメラリテラシー
美術入門
デザイン入門
著作権法
日本美術史
西洋美術史Ⅰ
美術論
造形基礎Ⅰ ●
造形基礎Ⅱ ●
造形基礎Ⅲ ●
造形基礎Ⅳ ●
デザインリサーチⅠ ●
レタリング
イラストレーション
コンピュータリテラシーⅢ
文学
民俗学
東洋美術史
西洋美術史Ⅱ
デザイン史
演劇史
民芸論
工芸論
ワークショップ研究Ⅰ
デザインリサーチⅡ ●
デッサンⅠ
タイポグラフィ
絵本
版画Ⅰ
美術の歴史と鑑賞
建築史
印刷文化論
デッサンⅡ
ブックバインディング
グラフィックデザイン基礎Ⅰ
ミュゼオロジーⅠ ●
造形民俗学(選択) ●
造形学概論(選択) ●
メディア論 ●
編集研究 ●
生涯学習概論 ●
博物館教育論
博物館展示論
現代芸術論
映像文化論
アートマネージメント
彫塑Ⅰ
ファッションデザイン
ミュゼオロジーⅡ ●
博物館実習 ●
文化支援研究 ●
博物館資料保存論
卒業制作 ●
自然(風景)は変化に富み、我々にさまざまな感動を与え、諸々の感情を呼び覚ましてくれます。しかし、これを絵として定着させるためには、このような感動の背後にある造形的な根拠を理解することが必要です。目の前に広がる我々の住む世界をどう認識し、絵画としてどう捉えて行くかを探究します。通信授業では、自分の住む町の風景を描き、面接授業(スクーリング)では、大学構内風景を描きます。
自然(風景)は変化に富み、我々にさまざまな感動を与え、諸々の感情を呼び覚ましてくれます。しかし、これを絵として定着させるためには、このような感動の背後にある造形的な根拠を理解することが必要です。目の前に広がる我々の住む世界をどう認識し、絵画としてどう捉えて行くかを探究します。通信授業では、自分の住む町の風景を描き、面接授業(スクーリング)では、大学構内風景を描きます。
自然(風景)は変化に富み、我々にさまざまな感動を与え、諸々の感情を呼び覚ましてくれます。しかし、これを絵として定着させるためには、このような感動の背後にある造形的な根拠を理解することが必要です。目の前に広がる我々の住む世界をどう認識し、絵画としてどう捉えて行くかを探究します。通信授業では、自分の住む町の風景を描き、面接授業(スクーリング)では、大学構内風景を描きます。
自然(風景)は変化に富み、我々にさまざまな感動を与え、諸々の感情を呼び覚ましてくれます。しかし、これを絵として定着させるためには、このような感動の背後にある造形的な根拠を理解することが必要です。目の前に広がる我々の住む世界をどう認識し、絵画としてどう捉えて行くかを探究します。通信授業では、自分の住む町の風景を描き、面接授業(スクーリング)では、大学構内風景を描きます。
ワークショップ研究は、学校や教室のみならず、ひろく社会の場において、造形活動に関わり、つくる、みる、伝えるなどの実践を研究するものです。グループで活動するときに使われる「ワークショップ」という手法を通じて、さまざまな視点から、コミュニケーションの方法、グループワークの広がり、造形活動の可能性などの在り方を考察します。
ワークショップ研究は、学校や教室のみならず、ひろく社会の場において、造形活動に関わり、つくる、みる、伝えるなどの実践を研究するものです。グループで活動するときに使われる「ワークショップ」という手法を通じて、さまざまな視点から、コミュニケーションの方法、グループワークの広がり、造形活動の可能性などの在り方を考察します。
ワークショップ研究は、学校や教室のみならず、ひろく社会の場において、造形活動に関わり、つくる、みる、伝えるなどの実践を研究するものです。グループで活動するときに使われる「ワークショップ」という手法を通じて、さまざまな視点から、コミュニケーションの方法、グループワークの広がり、造形活動の可能性などの在り方を考察します。
ワークショップ研究は、学校や教室のみならず、ひろく社会の場において、造形活動に関わり、つくる、みる、伝えるなどの実践を研究するものです。グループで活動するときに使われる「ワークショップ」という手法を通じて、さまざまな視点から、コミュニケーションの方法、グループワークの広がり、造形活動の可能性などの在り方を考察します。
博物館に関する科目において学習した内容を総合的に点検・整理する機会とするとともに、資料管理・展覧会の企画・運営・展示・普及に関わる各種業務を模擬的に体験することを通して、博物館活動や学芸員の職務に対する実際的な理解を深めます。あわせて、ワークショップ活動やアウトリーチ活動など、美術館が施設以外の場へと展開している事業についてファシリテーターの立場でプログラム企画に取り組むことによって体験を積みます。
博物館に関する科目において学習した内容を総合的に点検・整理する機会とするとともに、資料管理・展覧会の企画・運営・展示・普及に関わる各種業務を模擬的に体験することを通して、博物館活動や学芸員の職務に対する実際的な理解を深めます。あわせて、ワークショップ活動やアウトリーチ活動など、美術館が施設以外の場へと展開している事業についてファシリテーターの立場でプログラム企画に取り組むことによって体験を積みます。
博物館に関する科目において学習した内容を総合的に点検・整理する機会とするとともに、資料管理・展覧会の企画・運営・展示・普及に関わる各種業務を模擬的に体験することを通して、博物館活動や学芸員の職務に対する実際的な理解を深めます。あわせて、ワークショップ活動やアウトリーチ活動など、美術館が施設以外の場へと展開している事業についてファシリテーターの立場でプログラム企画に取り組むことによって体験を積みます。
博物館に関する科目において学習した内容を総合的に点検・整理する機会とするとともに、資料管理・展覧会の企画・運営・展示・普及に関わる各種業務を模擬的に体験することを通して、博物館活動や学芸員の職務に対する実際的な理解を深めます。あわせて、ワークショップ活動やアウトリーチ活動など、美術館が施設以外の場へと展開している事業についてファシリテーターの立場でプログラム企画に取り組むことによって体験を積みます。
入学時には選考料・入学金、卒業までには授業料のほか、スクーリング受講料(面接授業)などが必要です。スクーリングは卒業までに30単位修得しなければなりませんので、年間平均で6~8単位のスクーリングを受講することになります。最短で卒業した場合、学費の概算は下表のとおりです。
年次 | 選考料・入学金 | 授業料 | スクリーング受講料 | 合計 |
---|---|---|---|---|
3年次 | 20,000円 + 30,000円 | 300,000円 | 13,000円 × 6単位 | 428,000円 |
4年次 | 300,000円 | 13,000円 × 8単位 | 404,000円 | |
832,000円 |