新課程の学科・コースは、油絵学科では油彩等を中心とした平面造形のみならず、平面にとどまらない表現までを学ぶ「絵画表現コース」と、日本画の古典から現代表現までを学ぶ「日本画表現コース」の2コース。芸術文化学科は、美術を中心に様々な文化の事象を調査・考察し、その意味を学ぶ「芸術研究コース」の1コース。デザイン情報学科は、これまでの工芸工業デザイン学科とデザイン情報学科それぞれの領域を合わせ、総合的な学びとその解決を学ぶ「デザイン総合コース」の1コースとします。
学科・コースのカリキュラム構成
【油絵学科】
現代の美術では表現媒体の多様化が進み、これまでのカテゴリーには収まらないボーダレス化が起こっています。この現状と将来を見据え、これまでの専門分野を横断的に学び、伝統的技術から現代の表現まで幅広い知識と教養を身に付けながら、それぞれの表現に結び付けていくことを目指します。
そのために、これまでの実技科目だけでなく、各学年を通して講義を中心にした演習科目を設け、実技授業では不足しがちな素材の知識と実際、さらにテーマを考える上での見方・考え方、捉え方を学び、それぞれの表現に繋げるまでの学習をします。
絵画表現コース
主に油彩画を中心とした平面造形を学びますが、古典から現代までの表現を学ぶだけでなく、版表現や様々な媒体と手法を取り入れながら、これまでのジャンルに囚われない、新たな可能性をも視野に入れた表現を目指します。
必修科目では、基礎的な学習として「絵画表現基礎Ⅰ~Ⅳ」を配置し、描くこと、表現することの楽しさと深さを学びます。「絵画表現Ⅲ~Ⅶ」、「複合的表現Ⅰ~Ⅱ」では、描く上で必要な基礎知識を身に付け、見方や捉え方、造形の思考を学びびながら表現の多様性を経験し、「卒業制作」でそれぞれのテーマと表現へと繋げていきます。
また、講義を中心にした「絵画表現材料」及び「絵画表現演習」では、実技授業では不足しがちな素材の知識と実際、見方や捉え方、考え方などを学びます。
日本画表現コース
コース必修専門科目として、基礎から応用に向かうための「日本画基礎Ⅰ~Ⅴ」、制作進行の手順を知ることを目的に、古来用いられたものから自己の進め方への研究を行う「日本画研究Ⅰ~Ⅲ」、自己の日本画の用具用材の可能性を自己の表現と絡め、より高い研究テーマを促すための「日本画応用Ⅰ~Ⅲ」を配置します。
また、講義を中心にした「日本画表現入門」及び「日本画表現演習」では、実技授業では、不足しがちな素材の知識と実際、見方や捉え方、考え方などを学びます。
【芸術文化学科】
芸術研究コース
これまで通信の芸術文化学科は、理論研究を中心とした造形研究コースと、学芸員養成を含めた文化支援コースの2コース体制でしたが、新課程では通学の芸術文化学科における芸術文化研究領域に相当する分野を学修の中心とした1コースとし、学芸員課程は学科別専門科目の選択(必修)科目として位置づけます。
科目のカテゴリーでは、理論や歴史を中心に美術・芸術文化に関する私たちの認識の成り立ちを学ぶ科目を1年次から4年次まで各年次に配置し、コースの学修の軸とします。
また、芸術文化を研究する方法を「資料・情報の調査と分析」「研究テーマの発想・構想」「成果の論述・表現」の3段階に分け、それぞれを実践的に学ぶ科目を1年次から3年次まで配置します。
あわせて、特定の主題を共同で調査・研究して知見を蓄積していくゼミナール科目を、1年次から4年次まで各年次に配置します。
これまで通信共通の「卒業制作」の科目名で論文作成を課してきましたが、科目名を「卒業研究」として性格を明示し、3年次から研究計画の検討に取り組むようにします。
芸術研究コースのカリキュラムは、その多くが社会人である学生が、入学の時点でそれぞれの持つ知識や経験、また美術に対する興味や関心を、個々の学修の理由や目的に応じて展開できるよう、個別的な知識の修得に加えて、研究の視点や方法の獲得に重点を置いて構成します。
【デザイン情報学科】
デザイン総合コース
デザイン総合コースの領域のカテゴリーには、印刷媒体やネットワークを通じて発信される「情報」をデザインする領域、生活用品や製品、住宅空間や演出空間などの「環境」をデザインする領域、人々の関係や地域の問題など「社会」に関わるデザインの3つの領域があります。
また科目のカテゴリーには、知識としてデザインを学ぶ「デザイン入門」「デザイン論Ⅰ・Ⅱ」、ワークショップやフィールドリサーチ、ディスカッションなどのさまざまな演習を通じて“構想する力”を養い、デザインの発想をさまざまな角度から学ぶ「デザイン総合研究Ⅰ~Ⅵ」、さらに各領域の科目を選択しながら“つくる力”すなわち“形成する力”を身につけることによって構想を実現する力を学ぶ「形成デザインⅠ~Ⅴ」などのカテゴリーがあります。
さらにこれらの科目を総合的に強化するため、コンピュータやネットワーク、プログラミングの知識や技法を学びながら、構想力や形成力をデザインとして実装する力を学修します。
デザイン総合コースの科目は、進化する社会に対応し、自らのデザインの指向性を重視しながら、領域を横断的に学び、総合的に問題を解決するため「デザインとそれを実装する力」を学修する目的で構成されています。