●アラビアゴム:
アラビアゴムは、製版や版の保存などリトグラフ制作全般で用いる重要な材料である。マメ科の喬木でアラビアゴムの樹の樹脂が固まったもので、水で溶解しゴミを布で濾して使用する。水溶液は腐り易いので冷蔵庫で保管する。
製版液はこのアラビアゴムに微量の酸を混合させたものである。製版液の役割は、描画しなかった部分を不感脂化させる働きである。
●レジーヌ・タルク:
レジーヌ(ラズン)は松ヤニを砕いて脱脂した粉末で、タルク(ストンパウダー)は滑石の粉末である。共に描画材や製版インクの定着性を良くする働きと、製版液の酸から画線部を守る働きがある。
●ラッカー・チンクター:
ラッカーとチンクターは、版の表面で感脂化した部分の補強に用いる。アルミニウム板は石版石に較べ感脂性が劣るために、脂肪分の少ない描画材を用いる際に描画材と置換する。