写真は様々な表現をするうえで幅広い使い道があります。
写真の性質を理解して、イメージどおりの写真を撮りましょう。







露出と並んで写真の内容を大きく左右するカメラの機構が、レンズである。レンズの特性を理解し活用することで、イメージどおりの映像を得ることができるようになる。ここでは、レンズの種類と映像との関係について説明する。

■焦点距離と画角
カメラのレンズはそれぞれ、カメラの前にある光景のうちどれくらいの範囲を視野に収めるのか、またその画像をどれくらいの大きさでフィルム面上に写すのかについて、その特性が定められており、それを焦点距離という値で示している。焦点距離とは、レンズ中の主点と呼ばれる光学上の位置とフィルム面との間の距離を指す。この距離がフィルム上の画面の対角線の長さに等しいものが「標準レンズ」と呼ばれ、35ミリ一眼レフカメラの場合は一般に50ミリ相当のレンズが標準レンズとして扱われている。焦点距離が長いレンズでは、主点とフィルム面の距離が開き、被写体の画像はフィルム上の画面により大きく写る。焦点距離が短いレンズでは、主点とフィルム面の距離が狭まり、被写体の画像はフィルム上の画面により小さく写る。このことは同時に、フィルム上の画面に写り込む視野の範囲(画角)が変化することを意味している。焦点距離が長いレンズでは画角はより狭く、視界が限られたものになり、焦点距離が短いレンズでは画角はより広く、広い視界が得られる。こうした特性を踏まえ、焦点距離の長いレンズは「望遠レンズ」、焦点距離の短いレンズは「広角レンズ」と呼ばれている。レンズの焦点距離は被写界深度にも関連し、焦点距離の長いレンズでは被写界深度は浅く、焦点距離の短いレンズでは被写界深度は深くなる性質がある。

■望遠レンズ
一般に焦点距離が100ミリ以上のレンズは望遠レンズ、なかでも300ミリ以上のレンズは超望遠レンズと呼ばれる。望遠レンズを使うと、遠くの被写体を近くに引き寄せたような画像が得られるとともに、画角が狭くなり遠近感が弱められた画像となる。被写界深度が浅く焦点の合う範囲が限られるので、正確なピント合わせが求められる。また、焦点距離が長くなるとレンズの明るさが低下する(暗くなる)ので、それを補うために口径の大きなレンズを用いることで、カメラとレンズの全体が大型化・重量化する。これらのことから、望遠レンズを用いた場合には手ぶれが生じやすくなるため、高感度のフィルム、高速のシャッター速度、三脚などの使用が必要になり、撮影条件はより厳しいものになる。


左:24mm 右:85mm



■広角レンズ
一般に焦点距離が35ミリ以下のレンズは広角レンズ、なかでも20ミリ以下のレンズは超広角レンズと呼ばれる。広角レンズを使うと、幅広い視野が得られる反面、個々の被写体はより小さく写り、画面全体に遠近感が強調された画像となる。被写界深度が深いために焦点の合う範囲を広く取ることができ、絞り込みをすることで、「パンフォーカス」と呼ばれる遠くから近くまで全体に焦点が合った鮮明な画像をつくることができる。レンズの口径が小さくても明るい画像を得られ、カメラとレンズを小型・軽量に収めることができ、手ぶれに強く撮影に求められる条件が緩やかであることも特徴である。その反面、広角になるほど画像に歪みが生じ、被写体が曲がってすぼんだようなかたちに写る現象が起きやすくなる。

左:24mm 右:85mm



■ズームレンズとマクロレンズ
ズームレンズは、焦点距離を連続的に変化させることができるように設計されたレンズで、広角から望遠まで幅広い用途に対応できる。焦点距離が固定されたレンズに比べ、内部のレンズの枚数が多く複雑な構造になることから、レンズの重量が増えたり、明るさが低下する傾向があるが、技術改良が進み、近年ではカメラに装備されるレンズとして主流になっている。 マクロレンズは、花など小さな被写体に接近し拡大して写す接写撮影のために最適化されたレンズである。被写界深度が浅く正確なピント合わせが必要で、手ぶれが生じやすいが、標準レンズとして通常の撮影に使うこともできる。マクロ専用レンズ以外に、ズームレンズにマクロ機能を組み込んだものもある。

 マクロレンズの使用例



◇コンパクトカメラは被写体に近づいて
コンパクトカメラでは機構上、ファインダーから見た光景とフィルムに写る画像とが一致しないので、被写体が画面から外れて撮りこぼしてしまうことのないよう、レンズの画角はやや広角ぎみに設計されている。そのため、目的の被写体を大きく写すには対象により近づいて写すといった工夫が必要になる。
また、一眼レフカメラのように像を正確に確認できるカメラの場合も、フィルムからプリントする際に写真の周囲がかけて仕上がる場合があるので注意が必要である。





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