写真は様々な表現をするうえで幅広い使い道があります。
写真の性質を理解して、イメージどおりの写真を撮りましょう。







デジタルカメラは銀塩式(フィルム式)と呼ばれる従来のカメラを生産台数で追い抜き、いまや一般用カメラの主流となっている。性能や機能が向上する一方で低価格化も進み、店頭には数多くの製品が並んでいるが、購入にあたっての選択もそれだけ難しくなっている。ここでは、個々のデジタルカメラの特徴を把握するうえで基本となる知識を説明する。

■画像の原理
デジタルカメラで撮影した画像は、画素(PIXEL)と呼ばれる点で構成されている。ひとつひとつの画素は、赤(RED)・緑(GREEN)・青(BLUE)という光の三原色(RGB)について、光の強弱の程度(階調)がそれぞれどれくらいあるかという情報を持っており、それらの組み合わせによって、その点の色が決定される。RGBのすべてに光の無い状態が黒になり、すべての光が均等で最も強い状態が白となる。現在の一般的なデジタルカメラやパソコンでは、RGBのそれぞれが256(2の8乗)の階調を持ち、それらの組み合わせにより約1,670万色(2の24乗)の色を情報として扱うことができる。ひとつの画像は、このような画素を特定の数集め、平面上に規則的に配置することにより、つくられている。

■画素数
ひとつの画像がいくつの画素によって構成されているのかを示すのが、画素数である。画素数の表わし方には、画像の縦と横の画素の数をそれぞれ示す場合と、縦と横とを掛けた画像全体の画素の数を示す場合とがある。デジタルカメラの画像の縦と横の比は通常3対4で、画像全体の画素数がわかれば画像の縦と横それぞれの画素数を特定したことになるので、カメラの性能表示などでは画像全体の画素の数を指して「○万画素」という言い方がなされることが多い。性能の向上とともに画素数は増加し、現在では300万画素以上のものが主流となっている。画素数が多い方が、画面表示や印刷の際により高い画質が期待できるが、同時にデータの量も増え、メモリを消費したり処理に時間を要するので、用途に応じた適切な画素数を選択することが必要になる。一般的なデジタルカメラでは、撮影する際の画素数を何段階か選択できるようになっている。





■解像度
画像が画素の集まりによって構成される場合の、その密度を示すのが、解像度である。画素数と混同される場合があるが、画素数は画像の画素の数を端的に表わしているのに対して、解像度は画素数と画像の大きさとを関連づけることによって、その画像のきめの細かさを示している点が異なっている。したがって、デジタルカメラで撮影した画像を特定の大きさで画面に表示したり、紙に印刷しようとする場合に解像度を定める必要が生じてくる。画像の大きさと画素数と解像度には次のような相関関係がある(実際に得られる結果はモニタやプリンタの性能に依存する)。画像の大きさが同じ場合、画素数が多いほど解像度は高くなり、よりきめ細かい表現が得られる。画素数が同じ場合は、画像を大きくすると解像度は低くなり、きめの粗い画像となる。解像度を一定に保った場合には、画素数が多いほど画像を大きくすることができる。解像度を示す単位としてdpi(dot per inch)またはppi(pixel per inch)があり、1インチ(約2.54cm)あたりに画素がいくつ配置されるかを示すことで、画像の密度を表わしている。





■保存形式
デジタル画像を記録保存するのにはいくつかの形式があるが、デジタルカメラの画像においてもっとも一般的な形式はJPEG[ジェーペグ]で、画像のデータの量を少なくする圧縮技術を用いることで、保存できる画像の点数を増やしたり、インターネット上でのやり取りを円滑に行えるよう工夫されている。ただし、圧縮の際に画像の劣化が生じる欠点があり、圧縮率を高くする(データ量を少なくする)ほど劣化が激しくなる。一般的なデジタルカメラでは、記録する際の圧縮率を何段階か選択できるようになっている。Exif[エグジフ]、DCF[ディーシーエフ]、DPOF[ディーポフ]は撮影や保存・印刷などに関する情報を付加することで利便性を高めた規格。ほかにGIF[ジフ]、PNG[ピング]、TIFF[ティフ]などの形式があり、それぞれに特徴をもって使い分けられている。

■記録メディア
デジタルカメラで撮影したデータは、カメラ内の記録メディア内に保存される。記録メディアの多くはフラッシュメモリを使用し、記録や消去をくり返し行なうことができる。カメラのメーカーによって採用するメディアの種類が異なり、代表的なものにスマートメディア、コンパクトフラッシュ、メモリースティック、SDメモリーカード、MMCなどがある。それぞれに様々なデータ容量のものが販売されているが、容量が大きいものほど価格も高くなる。一つの記録メディアに保存できる画像の点数は、それぞれの画像のデータの量、すなわち撮影時の画素数や圧縮率などの設定によって大きく異なる。画像のデータ量が増える傾向にあわせ、記録メディアも大容量化が進んでいる。





◇用途に応じた画素数とは
画像の品質は理論的には画素数が多いほど高くなるが、その画像を実際にモニタで見たりプリンタで印刷する場合には、それらの機器の性能によって、画素数をある程度より高くしても得られる結果(画面表示や印刷物)の品質には変化が見られず、かえってデータ量がかさんで処理や印刷に時間がかかる状態が生じる。デジタルカメラで撮影した画像を加工する際には、画像の画素数を用途に応じた適切な値に変更することも重要である。適切な画素数を求めるには、その用途にどれくらいの解像度が相応しいのかを知ることが必要になる。解像度の目安としては、Webページなどモニタ表示用の画像は72〜100dpi程度、家庭用インクジェットプリンタで標準品質ならば100〜300dpi程度、フォト(写真)品質ならば200〜400dpi程度、印刷所に入稿するデータならば300dpi以上が目安となる。このことから、家庭用インクジェットプリンタで写真をカラー印刷する場合、プリントをA6判(ハガキ大)に仕上げるのであれば画素数は1024×768(約80万画素)、A5判ならば1600×1200(約200万画素)、A4判ならば2048×1536(約300万画素)程度が良質な印刷結果を得るに必要であることがわかる。使用するプリンタについては、実際に画像の大きさを揃えつつ解像度を何段階か変化させながら印刷して仕上がりを比較することで、適切な解像度と必要な画素数を把握しておくことが望ましい。







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