透視図法は「パースペクティブ(perspective)図法」から省略して「パース」とも呼ばれる。すでにルネッサンス期にはこの図法を元にした絵画を見ることができ、最も絵画に近い図法とも言える。
 線路が遙か遠くまで直線で続いている時、線路幅は次第に狭くなり、彼方で1点に収束する。その収束点を「消点及び消失点」と呼ぶ。
 対象物を架空のスクリーン上に表す時、視点:Sは人の見る位置を表すので、目の高さ*を取るが、水平線は目の高さに現れる。消点は水平線上になる。
 この時、視点と対象との関係から、消点の求め方や数に種類が生まれ、透視図法は以下のような種類に分けられる。また、陰影法のように透視図法を元にして表現を加えたものもある。
*:目の高さは一般的に立っている時1500mmに設定します。
 透視図法は三次元の各面を個別に表して表示するが、透視図法ではまとめて表すところに大きな違いがあり、その表し方に種類がある。
 平面図を元にして、水平線を決め、その上に消点を1点求めて作図する図法。
 この図法には「直接法」と「距離点法」との2種類がある。どちらも簡便な作図で立体や空間を表すことができるため幅広く用いられているが、ゆがみが大きいところが気になるところがある。
 直説法は非常に簡便に描くことができるが、ゆがみも大きい。距離点法(右図)は「室内透視図法」とも呼ばれ、室内の位置関係などを素早く作図でき、説明しやすいのでインテリア・デザインの領域でよく利用されている。
 直交する2組の平行線によって正方形のグリッドを作ることができる。この場合、グリッドを延長していくと、水平線上に消点を2点求めることができるため、「2点(2消点)透視図法」または「傾斜角透視図法」とも呼ぶ。
 2点透視図法にも「平行透視図法」、「45°法」、「30°〜60°法」など、種類があるので、最適な角度選択から図法を選択すること。
 短い距離で見上げ、見下しアングルで見る時、垂直方向にも消点ができる。そこで、水平線上の2点の消点と垂直方向にもう1点を求めて作図する図法を「3点(3消点)透視図法」という。極端な見下しアングルでの作図は「俯瞰図法」とも呼ばれる。3つの消点を等しく扱うとかなり歪んだ図になってしまうので、自然な見え方を描くために、2点透視図法からのアレンジが行われる。
 透視図に光源を定めて陰影を付けて作図し、空間や位置関係を表現する図法。
 光源にも平行光線と輻射光線とがある。平行光線にも頂点を求めることができるので、その点から高さを与えて作図していく。