油絵学科 版画コース

木版、リトグラフ、銅板、スクリーンプリント。
版種の特性と自己の表現を重ね合わせる。

版画は、版材やインク、各種の道具に触れながら、「版」を媒介にイメージを展開し、それを紙へと定着していくプロセスの芸術です。日本では、世界に誇る浮世絵版画の伝統を受け継ぐ一方、現代美術の重要なジャンルとして、あるいは絵本やイラストの原画として、多様な展開を見せています。

本コースで学ぶのは、木版、リトグラフ、銅版、スクリーンプリントの4版種。1、2年次で「版表現」の基礎を学び、3年次までに4版種すべてを体験します。各課題のテーマは基本的に自由。各自がそれぞれの表現を探求するなかで技法を深化させ、版種の特性と自己の表現の接点を確認しつつ、独自性のある作品制作を目指します。

版画コースの卒業制作作品をご紹介。

「Symbolize」 51× 66cm 木版
2013年度卒業制作

私とあなたの風景が交錯する瞬間

私の見ている風景。
あなたの見ている風景。
そして私とあなたの風景が重なり合う、
そんな瞬間を木版でつくってみたかった。
華やかな色彩とボカシによって、
日常の背後にある、ちょっと不気味な
負のイメージも描き出せたような気がする。

金子 奈々

油絵学科 版画コース 2013年度卒業

『少年と光の木』 40 × 60cm(絵本サイズ29.4 × 19.7cm)リトグラフ
2015年度卒業制作

心のカメラで写しとる

空想の世界を創るのが好き。
絵本を作ろうと思った。
解墨で丹念に点描した版を
薄い雁皮紙で刷りとり、
さらに版を重ねると色彩が複雑に絡み合った。
心のカメラで写しとった絵、
その世界を体感して欲しかった。

柴 育子

油絵学科 版画コース 2015年度卒業

版画コースの学習プロセス

【1年次】版画Ⅰ、リトグラフ、木版。【2年次】版画Ⅱ、スクリーンプリント、銅版。【3年次】版画Ⅲ、木版、リトグラフ、Ⅳ、銅版、スクリーンプリント、Ⅴ、リトグラフ、銅版、スクリーンプリント、木版。【4年次】版画Ⅵ、版画Ⅶ、卒業制作。【1年次】版画Ⅰ、リトグラフ、木版。【2年次】版画Ⅱ、スクリーンプリント、銅版。【3年次】版画Ⅲ、木版、リトグラフ、Ⅳ、銅版、スクリーンプリント、Ⅴ、リトグラフ、銅版、スクリーンプリント、木版。【4年次】版画Ⅵ、版画Ⅶ、卒業制作。

木版

凸版の代表的な技法で、板に彫刻刀などで凹凸をつくり、凸の上部に絵具やインクをのせ、紙に摺ります。板目木版と輪切りにした木の断面を使う木口木版があります。浮世絵など私たちに最も馴染みのある技法といえます。

リトグラフ(石版画)

平版の技法で、石版石やアルミ版などに脂肪性の描画材で絵を描き、水と油が反発する性質を利用して絵の部分のみにインクをのせ、プレス機によって紙に刷る技法。版面に凹凸をつけることなく、絵を描くだけで版を作ります。

銅版

凹版の代表的な技法で、銅版に凹凸をつくり、凹にインクをつめ、強い圧力をかけて紙に刷ります。ドライポイントなど銅版に直接彫刻する方法と、エッチングなど腐食によって凹部をつくる方法があり、それぞれ違った効果を得ることができます。

スクリーンプリント

孔版とも呼ばれる技法で、版となる膜(スクリーン)にインクが通る部分と通らない部分をつくり、紙などに刷る方法です。他の版形式と異なり、図像が反転しないという大きな特徴があります。

版画コースの科目をピックアップ。

基礎技法の習得─リトグラフ

版画Ⅰ(1・2年次)版に触れる

「拓摺り」を通して凹凸を肌で感じ、また凹凸を紙で作り、版を用いた造形表現を体得する。
木版またはリトグラフを選択し、基礎的技法を学習する。

  • 「拓摺り」の制作(通信授業課題)
  • 「紙版」の制作(通信授業課題)
  • 基礎技法の習得[木版、リトグラフ](面接授業課題)
基礎技法の習得─スクリーンプリント

版画Ⅳ(3・4年次)「空間」と版表現

「空間」がテーマ。絵画や版画等、平面上に現される空間は様々である。
各自の表現として空間をどのように捉えるか、それぞれの解釈で版表現を試みる。

  • 「空間」をテーマにした版画制作(通信授業課題)
  • 基礎技法の習得[銅版、スクリーンプリント](面接授業課題)
選択版種による作品制作─銅版(フォトエッチング)

版画Ⅵ(3・4年次)自由制作

各々がテーマを見出し、独自の版表現に向かう。
技術的はもとより、なぜ版表現を使うのか、版表現をいかに自らの作品に生かしていくのか、たえず自らに問うことが重要である。

  • 選択版種による自由制作(通信授業課題)
  • 選択版種による自由制作(面接授業課題)

版画コースの履修モデル

1年次

造形基礎Ⅰ
造形基礎Ⅱ
造形基礎Ⅲ
造形基礎Ⅳ
デッサンⅠ
絵画研究Ⅰ
版画Ⅰ(※ 面接授業は木版またはリトグラフ)

2年次

デッサンⅡ
デッサン研究
絵画研究Ⅱ
版画Ⅱ(※ 面接授業は銅版またはスクリーンプリント)
彫塑Ⅰ
彫塑Ⅱ
彫塑Ⅲ
彫塑Ⅳ

3年次

複合的表現Ⅰ
絵画表現Ⅰ
絵画表現Ⅱ
版画Ⅲ(※ 面接授業は木版またはリトグラフ)
版画Ⅳ(※ 面接授業は木版またはリトグラフ)
版画Ⅴ

4年次

複合的表現Ⅱ
版画Ⅵ
版画Ⅶ
卒業制作(版画コース)

  • は必修科目
  • 上記のほかに、造形文化科目(自由選択)を卒業までに50単位(内20単位は1・2年次に)修得する。
  • 2年次編入学生は「造形基礎Ⅰ〜Ⅳ」と「版画Ⅰ・Ⅱ」が必修。
  • 3年次編入学生で、基礎的な造形学習を受けた人でも、版画の基礎学習が不十分な人は「版画Ⅰ・Ⅱ」を履修することが望ましい。
  • 「版画Ⅲ ─ Ⅶ」は、体験を目的としたものではなく、自らがどのような造形表現を目指すのか、見出す必要があり、そのための学習計画を独自に組み立てることが求められる。

版画コースのスクーリング。
教員や仲間との交流がよい刺激に。

版画Ⅰ(木版)

版画Ⅱ(銅版)

版画Ⅵ(リトグラフ・スクリーンプリント)

版画コースの4年間の学費例をシミュレーション。

入学時には選考料・入学金、卒業までには授業料のほか、スクーリング受講料(面接授業)などが必要です。スクーリングは卒業までに30単位修得しなければなりませんので、年間平均で7~8単位のスクーリングを受講することになります。最短で卒業した場合、学費の概算は下表のとおりです。

1年次入学の場合

年次 選考料・入学金 授業料 スクリーング受講料 合計
1年次 10,000円 + 30,000円 285,000円 13,000円 × 4単位 377,000円
2年次 285,000円 13,000円 × 2単位 311,000円
3年次 285,000円 13,000円 × 7単位 376,000円
4年次 285,000円 13,000円 × 6単位 363,000円
その他(1年次~4年次の間) 13,000円 × 11単位 143,000円
1,570,000円

2年次編入学の場合

年次 選考料・入学金 授業料 スクリーング受講料 合計
2年次 20,000円 + 30,000円 285,000円 13,000円 × 6単位 413,000円
3年次 285,000円 13,000円 × 7単位 376,000円
4年次 285,000円 13,000円 × 6単位 363,000円
1,152,000円

3年次編入学の場合

年次 選考料・入学金 授業料 スクリーング受講料 合計
3年次 20,000円 + 30,000円 285,000円 13,000円 × 7単位 426,000円
4年次 285,000円 13,000円 × 6単位 363,000円
789,000円
  • スクーリングを鷹の台キャンパス・吉祥寺校・三鷹ルームで受講した場合の受講料で計算しています。
  • 2年次・3年次編入学の例は、入学時に既修得単位をスクーリング単位として認定された場合です。
  • 受講する科目によっては別途教材費がかかるものもあります。
  • 不合格によりスクーリング再受講となった場合、新たに同一の受講料・申込みが必要です。
  • 参考図書等の購入代金・材料費・課題の郵送料等は含まれません。